化血研に立ち入り検査 血液製剤不正で厚労省

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新聞によれば、単に偽っただけでなく、報告書の偽装もかなり凝っていて、紫外線を当てては古く見せるような事までしていたらしい。

 

偽装、虚偽が全く皆無という事はないだろろうが、それ故に、それを行うものは、cross the line を正しく判断できる者がイニシアチブを取らなければならない。

 

これは計画上の締め切りと本当の締め切りの関係にも似ている。漫画家や作家が計画の締め切りを死守する人もいれば、本当の締め切りぎりぎりまで粘るという人もいる。

 

手塚治虫などもそうであって、しかも、本当の締め切りさえ第一回、第二回、、、と第五回目くらいまで想定できるらしい。

 

当然ながら違法に近くなればなるほど Cross the line の判断は厳密になってくる。例えば道交法もそうであって、警察だって建前だけでなく、現実に沿った運用をしている。

 

しかし建前を低くして、現実を見なかった事にする方が、運用上は都合がいい。そのなかでも、 明らかにダメと言う場合と、これはまぁ次からはね、という使い分けが必要だが、これをするには、かなり高等な人材が必要である。

 

それが低級になってしまえば、恣意的な運用、つまり権力機構側の腐敗と結びつく。賄賂の問題が国内の底辺で殆どないのは、ひとつには十分な給与を与えているから、次にそれらへの罰則が厳しいこと、更には、人材のモラルハザードが起きていない事が挙げられるだろう。

 

しかし高級官僚であれば、もしかしたら腐敗は既に蔓延しているかも知れない。陸海軍の上層部に無能が多く、殆ど、現場の兵隊だけで戦争を遂行した事を思えば、それは想像に難くない。

 

と言う事を踏まえれば、この企業の不正は十分に cross the line している訳であり、しかも薬害エイズの被告でさえあるらしい。これはもう許容の範囲を超えている。初回ではない事、過去からずっと不正を続けている事、何度かの告訴によっても修復されなかった事。

 

見せしめの為にも厳重に処罰すべき事案である。どれ位の罰則が相応しいかと言えば、死刑相当だと思うが、法律上に定義がないのなら仕方がない。刑事は50年程度の刑務所と民事は一家離散するくらいの損害賠償を下すべきだろう。

 

それは行ってきた事が悪質なだけが理由ではない。社会的正義の回復、悪質な企業に対する見せしめの為である。見せしめの良い所は、他への無言の圧力になる事である。悪い点は、一度行えば歯止めが聞かなくなり、どんどんとエスカレートしてゆく事である。

 

だからオウムに対してさえ国家反逆罪を適用しなかった。この国の人々はその辺りを重々承知している。まだあの戦争の傷跡が残っているから。

 

運用は大変に難しい。このような状況から如何に回復するか、ある意味で世論に忘れてもらうしかない所がある。そういうものに対して、平常運転に戻すノウハウを各省庁はよく知っているだろう。

 

それでもトップに立つ老人は、こういう時によく燃えるように置いておく枯れ木みたいなものだから、遠慮せず躊躇せず、存分に重罪に処してやって欲しい。