広瀬すず「平均年齢が若い。若いってすごいな」

なぜか、予言してしまうのだが、彼女は二十歳を超えたあたりできっと、強いパッシングを受けるだろうと思われる。それは、今の若い彼女の自信に満ちた立ち振る舞いに原因がある。彼女を見ていて、何故かイライラするのだ。

何にイライラするのだろう。それはわからない。そこを深く追及したら、たぶん、グロぐロとした自分自身の姿が見えてくるだろうから、あえて蓋をする。寝た子を起こすな、とはこういう事である。

そうすると、イライラの原因とは向き合えなにので、どうしても、このイライラに対処しながら、やり過ごすしかない。モヤモヤとしながらでしか、それと向き合うしかない訳で、これでは問題を解決することは不可能だろう。

そういう場合の対処の多くは、発散でなければならず、それは通常、暴力的なビヘイビアの側面を持つ。ただしフィジカルバイオレンスではなく、ストレスの発散としての対処なので、ヘイト的なバイオレンスである。

要は、彼女は、パッシングという滝に向かって航海している様なもので、それを俯瞰しているようなものだ。しかし、若さとはある意味そういうものでなくてはならず、相手の力量を知らなくても立ち向かえるタフネスさ、何に対しても持てる根拠のない自信、自分の将来と幸運を信じることができる軽さ、はあって当然なのだ。

こういうものは、年を取った人から見ると、無知、蒙昧、愚弄とも映るかも知れない。しかし、若い以上、経験も知識も乏しい。仮に知識があっても現実感は薄いだろう。だから、無知は当然である。しかし、無知は若さの欠点ではなく、長所である、と言う事もできる。

無知でなければ突破できない壁がこの世界には幾らでもある。壁が高いほど、それに挑んだ人たちの死屍累々もあろうが、それを突破するには、挑む以外の方法などない。

ただ彼女が挑んでいる何かが、おそらく、僕の目には詰まらなく見えているのではないか、と思わないでもない。彼女は有能なアクトレスだろうが、どうも、そうか、いうほどか、俺には勉強の後も、彼女の工夫も見えない。と断言できれば楽なのだが、時々、彼女の演技にハッとさせたりするもんだから、さらにイライラが募るのだ。

つまり、僕には彼女はほかの多くのアクトレスと同様、天性だけでやっているように見える。それに無自覚であることが、僕の琴線に触れているのだろう。