海外に比べて何が×? 日本人の「5つのムダな働き方」

本当にそれが無駄かどうか、また他の国と比べて、それが能力が劣っているから起きていることなのか、それとも、仕事のやり方の違いに過ぎないのか。

というところは十分に検証されていい。その結果、明らかに日本人の方法は無能である、という立場から、そういう発言で飯を食っている人もいる。ま、ある意味のコンサルタントだから、立場に問題があるわけではない。

1)会議に出なくてはいけない

日本の会議が長くて、無駄である、というのはよく言われる。外資系では、会議までに、議題について十分に検討しておくとも聞く。

しかし、国連などでは時間内に問題が解決せず、さらに延長するなどの問題もよく聞く。すると会議が長いのにも、理由があるはずだ。

会議が長くなるのには理由がある。どうなものだろうか。ひとつに考えられるのは議題が多いというものがある。議題が多くてその説明だけで時間がかかる。

そういう場合は議題そのものは前もって周知しておけば短くできる。だが、その議題について意見がぶつかり合えば、会議が長くなるのは仕方がない。

次に、会議では各人からの報告というものがある。報告そのものは前もって周知しておけばいいが、会議でも読み上げみたいなことをする。

ところでどうやら日本人は手短に話を〆るのを好まない風潮がある。短すぎると仕事した気にならないとか、楽しやがってを見られるようなのだ。

つまり、省略が下手という話である。これがある意味では会議を長くする理由の一つであろうが、例えば、この記事だって、コンパクトにまとめれば、もっと短くなるのである。しかし、決められた文字数があるので、内容がどうであろうと、長々と書かないといけない。

同様に会議でも時間の目安というのがあって、二時間の会議が10分で終わったら、え、何、それ?無能?とみられるのは確実である。

無能と考えらえる理由はいくつかあるが、一番大きいのは、前もってそれがどの程度かかるかの見積もりを大失敗しているということが挙げられるだろう。

だからと言って、会議も生ものなので、早く終わったり遅く終わったりはある。そして、日本における会議のもっとも重要な役割は、そこで全員一致の結論を得たというものであって、それは国会の決議と同じ意味合いがあるわけだ。

この国の会議でもっとも意味がないのが国会であって、前もって決められた質問に対して、前もって用意された回答を読み上げるだけである。ただの儀式に過ぎないのである。

それでもやるのは、公開の原則があるからで、その儀式を広く国民は監視する必要があるからだ。


2)上司の指示はやりきらなくてはいけない

このタイトルがまず釣りなのだが。上司から無駄なコマンドがよく届くという話はある。新書ではないが、上司は思い付きでものを言うものなのである。

実際にビジネスには数打ちゃ当たるという側面もあるので、思い付きでやってみるのは一概に悪いことではない。しかし、それは負担の問題であって、全体の負担の度合いを見抜くことができない人もいる。

だからといって、必要な調査を割り振るのも上司の仕事であって、結局は全体像を見渡すだけではなく、それをするのにどの程度のコスト(費用、時間)がかかるか、という問題にたどり着く。

この結論は、結局、スケジューリングする能力こそ最大の武器という話になる。


3)会社にいなくては仕事ができない

通勤時間が無駄という話なら理解できないでもないが、どこでも働くのが無駄を取り除く方法なのだろうか。

すくなくとも、24時間、仕事のことを考えるワーカホリックならいざ知らず、一般的には、仕事は就業時間という拘束が発生する。逆に言えば、拘束されていないときに仕事をするのは、それは趣味であって、仕事ではない。

そういうところをグレーにするのは就労として問題であろう。在宅勤務にするほうが、時間を自由に使えるという意見は正しいが、それは無駄とは関係ないであろう。

仕事をするのに必要な時間、コストが一定だとすれば、それをどう分配するかの自由範囲が広いということと、無駄の問題は別であろう。

ネタ切れかな?


4)他の人と同じように働かなくてはいけない

同じように働くではなく、このタイトルも釣りだ。

たんに時間を合わせないといけないという風潮に対する指摘である。もちろん、誰かひとりが早く帰れる状況というのは、もちろん、全体に対する負荷が等しくないという話である。

すると上司としては、負荷分散を等しくするように早く帰る人の仕事を増やすだろう。

ところが、早く帰る人は、たいていは、能力が高いか、横着ものと決まっていて、いずれにしろ、能力が高い故に高い負荷を与えられてはたまらない。

そうするなら、時間当たりの単金を上げるか、なんからのプライズが欲しいに決っている。

そうならないには、日本の企業では自明であるから、早く帰宅することはあまりメリットはない。

とすれば、だらだらと残っているほうが全体的に見れば利益になるわけだ。全体の負荷を平等にするという考えがある以上、自然な流れである。

また日本の企業は共同体の役割を持っている。そういうものに対しては長くそこにいることは実はそれほど苦痛ではないわけである。会社が第二の家といってよい状態があるわけだ。

5)長いバケーションが取れない

たんに仕事のスケジューリングができていないだけでは、という気がする。しかし、取引先がある場合、そうはいっても無理な話もある。

だが、こんなもの、前もって宣言してその準備すれば不可能ではない。どちらかといえば、数少ない有給でそんなにも休めるものかしら、という気がしないでもない。

ところで長いバケーションってのは一か月以上だよねぇ?


ま、決定的に×というものは見つからなかった。何事にもそれなりの理由は見つかるもんである。もちろん、業種や企業の風土や、上司の能力によって大きく変わるから、こんなもの、一般論なんてありえない話である。

そこを一般論に落とし込んで商売している人はいっぱいいると思うけど。