アニメ史上最強にカッコ良い!デブキャラランキングTOP50

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ちょっと待って欲しい。ポルコ・ロッソがデブかどうかには、異議あり!ではないか。

 

ここに一頭の豚がいる。丸々っとしているが、もちろん、これは彼らの標準体型である。ほぼ円柱型の胴体を持つ動物は哺乳類のみならず多いものである。

 

球が体積と表面積の関係を最小とする形である事は算数でも確かめられる。この関係は、体積が蓄熱、表面積が放熱の関係であるから、それが最小の球を目指すのは蓄熱という観点から理解できる話である。

 

同一物体であれば、体積が増加するほど、表面積の割合は小さくなる。これは、3乗と2乗の差である。これが寒冷地に住む動物が大型化する学説の根拠である。

 

もちろん、アフリカの暑い所に住む像が最大じゃないか、という疑問は最もであるが、それに答える引き出しはない。ただ、同一の種、例えば熊であれ、犬であれ、ペンギンであれ、寒い方が大型化する傾向にある。

 

人でも寒冷地仕様の白人のほうが大型である。かつ、彼らはベージュ細胞を多めに持つ方向に進化した。その割には白人はどこにでも旺盛に出かけるから、暑い場所にもたくさん住んでる。

 

で、円柱の体といえば、もちろん太った人もいるが、豚やイノシシ、カバ、鯨などの鯨偶蹄目にマルっとしたものが多い。他に、ナマコやウニなどの棘皮動物、微生物までいけばごろごろといるだろう。

 

ここでデブに注目すべきは、人よりもかなり小さい種はデブ呼ばわりしない、という事である。標準的に丸々しているナマコはデブと呼ばれない。よく肥えたとか丸々と太った良い出来とかは言うかも知れない。

 

犬やトラなどでもデブったのが動物園にいるが、あれは標準と比較しての話であるから、ニュアンスが変わってくる。

 

つまり、デブにも二種類あって、標準から大きくかけ離れているもの、そして、最初からデブ扱いされるものがある。豚は後者である。まるまるとしているのは人間の品種改良のせいであって、それだけたくさんの肉を持つという有利さによって、家畜化が推進されてきたのであるが、あの体形が彼/彼女らの標準である。もちろん畜産であるから、まるまる太るように餌は与えられなければならない。

 

よって豚をデブと呼ぶのは人間の勝手な都合である。つまり他者や異なる分野についての無知という話だ。これはいまあちこちで話題になっているテロリズムや人種差別などと根っこは同じであって、ポルコ・ロッソをデブキャラと呼ぶのは、どうも同意できそうにない。

 

そもそも、人間の姿をしている時はすらっとしていたはずである。そういう不都合な真実を人間は簡単に忘却する。都合のよい局面ばかりに目を向ける。そういう願望だけで生きる事をソクラテスは無知と呼んだのではなかろうか。