「えっ!? あの先端メーカーにお勤めなんですか!それならぜひ弊社にきませんか。」
「エンジニアのみなさま、お疲れ様でした。本日帰宅されましたら、自宅でじっくりと下記の内容をご検討ください。」
Juke という車はどこから見てもJukeだが、C-HRという車はどこから見ても Juke のオマージュである。
というわけで TOYOTA の何が嫌いというわけではないが、南武線沿線のCMにはユーモアがあるね。
特に東芝の場合はどうする?という会話はあったはずだと想像できる。倒産する前にぜひTOYOTAへ、なんて書けない、でも狙い目だよなぁ、なんて書く?ってのは面白い。
TOYOTA がターゲットを絞って即戦力を確保しようとする動きには、明確な意図がある。勘定系ならみずほ銀行のシステム開発がそろそろ(失敗に)終わり、大量のエンジニアが市場に戻ってくるという噂がある。だがそんなエンジニアには目もくれず南武線である。
今の市場は人手不足、売り手市場という話があるから、優秀な人なら直接一本釣りすることも考えているだろう。この動きはその次のステップで大量に人を欲しがっているという事である。これは TOYOTA が IT との融合に本格参戦する意志が固まったということではないか。
もちろん、その前段階としての検討や試作は既に終わったという意味だ。こういう方向で進む。こうすれば行けるはず、そのためにはこういう技術をもった人がこれくらい欲しい、さてどうしようか。という見通しが立ったという事になる。
何年後には市場に、こういう車(またはコミュニケータ?)を投入するという明確な目論見がある。更には、そういう強みのある企業との協業ではなく、自社で抱えようとする点にも思惑があるように思われる。
当然、自動運転、自立する自動車が当面のターゲットだと思うけど、その先も見据えているはずだ。車を操る楽しさと、自動運転による安全性という潜在的なジレンマをどのようにするのか。TOYOTAはそこに何らかの解答を見つけたのではないか。
いずれにしろ、トヨタという企業が危機感を持っていないはずがないのだから、未来の交通システムそのものさえ変わるべきだと考えているのではないか。それは車だけの話ではない、物流も、鉄道も、バスも、恐らく航空機や船も視野に入っているだろう。
自動運転が実現できたら世の中は大きく変わる。そこにドローンとのパッケージ化も加われば何がどうなるのか。高度なセンサーを持つコンピュータが街中を徘徊するのである。撮影した画像が、センサーが拾った様々な情報がどれだけの価値を生み出すか。
あのTOYOTAがそこまで見据えていないはずがない、と思うのだ。彼/彼女らは世界を変えたい連中の集まりだから。