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「空母いぶき」実写映画化!2019年公開予定、かわぐちかいじ描く新軍事エンタメ

natalie.mu

 

アニメーションで描かれたクーデターものの白眉としては「特車二課のいちばん長い日」がある。一方で他国との交戦状態では列島198X(沖一、史村翔)が印象深い。特にロシアの人は不快だろうが、ヒロインが慮辱されるシーンは印象深い。所で、沖一の絵は誰に似ているだろう。上手い人だ。

 

さて、第二次日中戦争(第一次は1937-1945)が勃発するとして、たくさんの乗り越えなければならない制約がある。日本から攻める場合と中華人民共和国から攻める二パターンを考える場合でさえ条件は異なる。

 

仮に日本が中国を攻めるとして、考えなければならない事がある。

 

そもそもの理由、何を欲して戦争という手段を選択するのかと言う話。中華人民共和国は決して弱小国ではない。そのような国と戦争に至る決断がそう簡単にできるはずもない。

 

戦前は未だ其れでもロシア(ソビエト連邦)の脅威があった。日露戦争をするために明治維新を決行したと言ってもいいし、それ以降も同じ脅威の延長線上に日本の外交はある。満州国を作るのも北の脅威があったし、満州国が成立したら成立したで、当然な話だけど、中国は反発した。

 

彼らの敵は別に日本だけでなく、ヨーロッパ列強に蹂躙されていたし、清王朝も末期だし、その後継である中華民国も脆弱だったと魑魅魍魎の大陸である。彼らの独立心はとても強かったからそう簡単に屈服するはずもない。幸い10年20年という戦争なら彼らのお得意である。狭い国土でちまちまとした戦をしてきた民族とは戦争への捉え方が違う。

 

結局、北への脅威がそのまま中国大陸での紛争になって、その延長戦上にアメリカがいた、という話になる。日本のロシア南下への脅威が最終的に決着するのはアメリカとの同盟によってであって、それを実現するためには300万人分の血と命が必要であった。

 

あの大戦がなければ、さてその後の冷戦がどうなっていただろうと考えるのは面白い取り組みだが、答えはない。我々の世界では、戦争に負けて同盟を組む事で初めて解消できたのである。更に言えば、戦後のアメリカはソビエトと対決するのに中国大陸を必要とはしなかった。

 

第一に中国自身がソビエトに対する防波堤になったし、核で書き換えられた世界戦略は、今更、どこかの島だの大陸を確保する価値を下げてものであった。核抑止力は、それまでの戦略を丸で変えた。

 

それでも核などそう使えるものではない以上、通常兵器による戦争の役割が終えたわけではない。次に起きるであろう北朝鮮とアメリカという核保有力国家同士の直接的な戦争がどのような趨勢を辿るかは知りようもないが、取り合えず前提は通常兵器だけで良いだろう。

 

中華人民共和国は核保有国だから日本が優勢になってお互いに妥協点が見いだせないならば、最後の手段がある。日本はこれを持っていない。よって日本が戦争に訴えるのは簡単だが、決着のつけ方は可なり難しいはずなのである。そこにはお互いの妥協しか決着はなく、となれば勝ちながら負けるというようなミラクルが必要なはずなのである。

 

そもそも、それが出来るくらいなら、おそらく外交的解決の方がずっと簡単である。戦争の最も大きな益とはインフラの破壊と人命の損傷であろう。また戦争を境にして、新しい価値観や法令、憲法などを受け入れやすいというメリットがある。つまり変化の強制力である。

 

いずれにしろ、日本が中国大陸を侵略する強力な理由はなさそうである。すると、紛争があるとしたら諸島か、シーレーンであろう。特に、中国の一帯一路構想とフィリピンとの蜜月関係は、中国の東シナ海における覇権を完成に近付けている。

 

だからと言って、日本海軍に外征型の装備はないから、今から装備を開始しても中国と対抗できるようになるのは10年後であろう。そもそも、日本にそれだけの軍事費を捻出できるのかという話がある。中国がそれを可能とするのは社会保障費を削っているからであろう。それと同じ事を日本もするのか、という話になる。年金、健康保険、介護、生活保護などを縮小して国家から個人に負担を付け替えるのか、という意味である。

 

また中国は日本にとって重要な貿易国であるから、その関係性を御破算にしてまで戦闘状態に入る理由は何か。世界史でそういうのが起きる為には、とても偶発的な事件が必要である。第一次世界大戦のように雪崩が起きるように事件から戦争に一気に至らなければならない。

 

というわけで、日本から戦争をしかける理由はなさそうに見える。軍隊は使わない事を目的とする所があるから、装備の充実は緩める訳にはいかない。その辺りは防衛省の管轄であり、シビリアンコントロールが必要な部分である。

 

中国が日本に進出するシナリオはどうであろうか。中国は太平洋の半分を制海権に収めたい野望を公言している。そこで邪魔になるのが日本列島であろう。だから日本より内側を第一列島線として定義している。

 

列島の外側は今後の課題として棚上げしているだろう。よって現在フォーカスすべきは東シナ海になるのだが、更に言うなら、太平洋よりもインド洋が重要なのである。一帯一路構想からして、インド包囲網的な意味合いを持っている。その先にあるのがアフリカ大陸である。そこが野心の終着点ではあるまいか。

 

では、中国が日本、更に小さな島を欲しがるだろうか。そんな島を争った所で維持するのも困難であろう。日本が楽勝するとは言わないが、そう簡単に負ける相手でもない。少なくとも戦闘のしぶとさには実績がある。

 

中国は政治体制が特殊だから、もし戦争に負けたら政権が吹っ飛ぶのは当然であろう、下手をしたら戦闘に負けるだけでも吹っ飛ぶ。空母一隻を派手に撃沈するだけで、中国は政治レベルで激震が走る国家である。これは非常に高い戦争のリスクであろう。

 

インドやチベットを抱えながら、海を越えてまで日本と戦争状態になる理由が見つからない。空母でさえ激震である。地上戦で負けたら、もし上陸でもされた日には。その時に国家主席(党総書記)は辞任するだけで済むだろうか。共産党は決して一枚岩ではないのである。

 

もうひとつ中国側の懸念がある。最大にして最強の日米同盟がある。これが発動しない理由がなくてはならない。トランプを見ていると、発動しないかもなーという気もしないではない。

 

だが、日中戦争が起きた日には、北朝鮮だって静観するかは怪しい。ロシアがどう動くか。ロシアをケアしながら戦争をするのは、日本にとっても中国にとっても負担が大きすぎるのである。もちろんアメリカは絶対に手出ししない。

 

すると日中戦争を可能とする為には日ロ、中ロ不可侵条約が必須のはずだが、そういう20世紀型の地政学が今も通用するかは知らない。

 

日中戦争のための条件である。

  • 日米同盟の破棄、または未発動
  • ロシアとの不可侵条約
  • 北朝鮮の静観
  • 日本の諸島の戦略的価値
  • 経済状況、戦費問題

 

例えば、内政的な理由からの海外派兵をするなら、わざわざ日本を選ぶ必要はない。世界でもTOP10に入る軍事国家を相手にするのはリスクが高過ぎるのである。

 

現在の戦争はシリアやイエメンなどのように内乱から勃発するものが多いように感じる。そこに宗教がガソリンのような役割を果たす。また、ロヒンギャのように過去からある問題が一気に噴出する場合もある。特に問題が起きるのは民主化の過程にある場合なのである。

 

それを敷衍するなら、中国と戦争状態になる可能性が最も高くなるのは、中国が民主主義国家になった時であろうと予想できる。幸い、日本も絶賛、右傾化しているので、偶発的な戦闘状態はウェルカムの状態である。22世紀には現実の話である。