10 million bugs from my attempt @nanoris

書き溜めの集積場

河野氏「核実験」発言が波紋 中国「足引っ張らないで」

www.asahi.com

 

中国のニュース(国営放送)を見ていて思うのは、彼らの意見だけを聞いていると、それが正しく感じられて来るということだ。それは別に、内容がどうのこうのではない。これはロシアのニュースでも同様であって、もちろん、BBCだろうがF2だろうが同様である。

 

それでも日本人が中国の政治活動や広報には懐疑的な態度で挑むのは自然だと思う。それでも、彼らの発言を聞いていると一理ある、その考え方も成立するな、と思えてくる。

 

もちろん、中国のニュースと言っても内容は大したものではないのである。習近平が皇帝になったとか、北朝鮮を利用する気がある、とか、アメリカの関税には報復するとか、極めて分かりやすい内容なのである。だが、それに対する理論武装と自分たちの正当性に対する主張が極めて堂々としているし、強靭なのである。

 

ひとりの広報官の後ろにどれだけの戦略チームを抱えているのかと、絶望的な気分にさえなってくる。

 

イギリスで起きたロシア亡命者の暗殺未遂事件にしても、ロシアのニュースを見ていると推定無罪を感じる。彼らの主張は全く正しい。そしてBBCの放送を見ても確かに決定的な証拠はないのである。

 

使用された神経剤はロシアが開発した。暗殺の対象者はロシア亡命者である。すべてのベクトルはロシアを指している。だが、それが決定的な証拠になるはずはないではないか。

 

だがロシア人の不審死はこれだけではないのである。ポロニウムでの暗殺も記憶に新しい。これらのすべてがロシアを指している。状況は明らかにロシアなのである。そして、そのすべてに関与していないと信じる者はロシアにだっていないであろう。もちろんプーチンだって信じてはいないはずである。

 

だが、今回の件はあまりにロシアを向きすぎている。だからロシアも猛反発をしているのではないか。イギリスに証拠を示せ、調査に加えろと強く主張するのである。もちろん、彼らは馬鹿な事を言うなと反論しているが、我々はやっていないとは公式には発言していない『はず』である。ああ、みえてロシアは正直な国である。

 

自然に考えるなら、暗殺には必ず誰かの意図がある。その意図は他の者たちにも正しく伝わらなければならない。だが、証拠を残して犯人が逮捕されるようでは本末転倒でお粗末なのである。

 

だからロシアがやるにしてもオリジナルの毒物を使用しなくてもメッセージは伝わるはずである。よほどロシア人が間抜けでない限り、なぜ足のつきやすい方法を採用したのか理解に苦しむ。だがポロニウムというちょっと遊びで考え付いたのか、賭けでもしたのか、というユニークな暗殺もあって、なんとも言えない。もちろん、ロシアがやったという証拠はないはずである。機密文書が公開されるのは百年後であろう(ああいう国は日本のように廃棄はしないのである)。いずれにしろ極めてグレーとは言えても黒とは言えないはずだ。

 

国際政治はまず誠実でなければならない。場合によってはグレーを白と呼ぶ誠実さが必要である。時にグレーを黒と呼ぶ誠実さが必要である。

 

河野太郎の発言は高知市の講演でしたものなのでリップサービスであろう。政治家が講演での失言が多いのはサービス精神が旺盛なだけである。恐らく前後の文脈を読めば、そう遠からずのことを言っているはずである。

 

個人的意見をいうなら、北朝鮮の問題は既に核開発ではない。核を搭載する潜水艦に移っている。戦略型潜水艦を就航させたら、それが潜航する前に叩くしかない。これが最終通告になるであろうし、これを許容するアメリカ議員はいないと思う。これは冷戦が残した絶対の教訓だと思う。

 

そんなことは専門家は百も承知していると思うが、もちろん中国政府だってそうだ。だが、意図すべきはそこではない。講演の内容を外に漏らした人も人だが、それをきちんと取り上げて「朝鮮半島問題を対話で解決するという努力をしている最中に、足を引っ張らないでほしい」というコメントをした巧みさにもっと驚愕すべきなのだ。

 

これは先生がいたずらをした子供に向けていうかのような発言だ。少なくとも、そういう印象を与える。こんな発言を聞いたら、どっちが正しい、間違っているなど関係なく、力関係が歴然と聞いている者に刷り込まれる。

 

勝者に見えるものは最終的に勝者として記憶されるのである。敗者に見えるものは敗者として覚えられるのである。実際にどちらが勝ったなど物好きな歴史家だけが覚えていればよい。

 

ここで、最も注意すべきは、明治の一時期を除いて、日本はこの手の外交上の発言が悉く稚拙であったと言う事で、それは巧妙でもクレバーでもないのですぞ、という点に尽きる。343空が当時の日本としては画期的であった事は認めてもよいが、アメリカはそれを「まるでアメリカ海軍のようだ」と言っていた事を忘れてはならない。それがたった半年で組織的に壊滅してしまったことも。

 

鎖国は終わっていない、いつの間にかこの国はまた鎖国しているのである。この国に足りないのは分析する力、それに基づいて組織を構築する力、それを維持し続ける力。これらが自然と組織される仕組みである。