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中国空母が沖縄、宮古島間通過=16年以来、領海侵入なし-防衛省

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核を除けば、現代兵器の主力を担うのは、航空機である。洗車不要論を掲げる識者はいるが、航空機不要論を主張する識者は寡聞にして知らない。

 

航空機の将来が無人機の方向を向かうのは自然であるから、人を搭乗する必要がない。かつての神風特攻は人間をコンピュータの代わりに搭載したのであるから、無人機を特攻的に使用するのも自然である。ま、それが各種ミサイルであるから、日本陸海軍が最後にやりたかったことは、既に実用済みである。

 

現在、研究されている無人機の特徴は、そういう意味では、一度きりではなく、行って帰ってきてスペースシャトルのように何度も任務を遂行できることだ。実施できる任務も多様化し、それに答えられる機種が求められている。万能機、理想をいうならひと月くらい飛んで行ったきり帰ってこない無人機であろうか。要はバンドック(ドール8号)みたいなものだ。

 

空母が航空機を運ぶ装置である以上、それは自国の航空戦力を運ぶためのものである。だが、任意の地域に、連合国がいるならば、その陸上基地を借りる手もある。すると、作戦行動としてはそれでは不十分、という主張があるから空母の存在意味がある。

 

おそらくだが、アメリカ海軍がどれほど工夫を凝らしてもアメリカ空軍には勝てないと思われる。そしてアメリカ空軍は、制空権を確保したアメリカ陸軍には勝利しえないであろう。だがアメリカ陸軍は制海権を確保したアメリカ海軍のいる海はたとえ数マイルであっても渡河、渡海できまい。

 

空母を有する軍隊は外征型といわれる。これは遠く自国を離れた場所で作戦を展開するという意味だが、その時に、最終的に雌雄を決するのが陸軍であることは、ローマの時代から変わらない。

 

海を渡るためには、海を支配しておかなければならない。そのためには海上艦が必要になる。その海上艦隊は空からの攻撃に弱いから制空権を確保するための空中兵力が必要になる。それが空母のひとつの役割であろう。

 

連合国の協力によって空軍が展開できれば、空母は攻撃にも使用できる。海上からの攻撃は、場所を特定するだけでも敵は混乱する。これに潜水艦を含むと敵はその対応に一部の兵力を割かねばならない。空母を有することは戦術的にとても有利なのである。

 

だから各国は空母を如何に沈没させるかを考えてきたと思われる。潜水艦からの攻撃、巡航ミサイルによる攻撃は誰もが思いつくから、その程度は対策済みである。ソビエトが最終的に結論したのは飽和波状攻撃であろう。相手が100の防御を持つなら101で攻撃すればひとつは突破する、その101個を用意できずにソビエトは崩壊した。

 

雑誌にはイルカに爆弾を括り付けて空母を沈めようした記事もあった。日本軍は桶みたいなヘルメットを人に被せて、船の下まで海底を歩かせようとした。小さなドローンの存在は新しい攻撃を生み出すだろう。小さなドローンが船の船底に取り付けば運動能力を著しく損なわせる。スクリューにワイヤーで絡まれば動作停止にも追い込める。磁場を狂わす装置を電子機器周辺に飛ばせば攻撃は容易い。

 

こういう方法を研究している人には面白いとはいえ、マスコミとしては面白くない。やはり、敵空母は潜水艦で堂々と沈めなくちゃ新聞の第一面は飾れないのである。そんなことを言っているから戦に負けるのですとレオポルド・シューマッハのセリフが聞こえてきそうである。

 

自衛隊の潜水艦は世界でもトップレベルとの話である。ただ、これはいつの世界トップレベルであるか。軍事なんて半年で時代遅れになる時代もあった。今がそうではないとなぜ言えるだろう。

 

というわけで中国の空母をどうやったら撃沈できるかを考えてみても、これといった話にはならない。そういうのは専門家が血尿を出しながら発見するものなのである。一回こっきりみたいな策ならあるかもしれないが、それは同盟のペテン師がやる戦術であろう。

 

そもそもなぜ中国の空母を沈めなければならないか。相手は核を持っている。本気で戦争したら相手は核の使用だって辞さないであろう。核を封じるのは核しかないが、それにはアメリカか、ソビエトか、イギリスかフランスか、インドかパキスタンか、イスラエルか、北朝鮮の後ろ盾がいる。

 

もちろん、日本だって持ってないわけじゃない。大量の核廃棄物をばら撒いたり、原子力発電所を暴走状態にすれば、それなりの効果は期待できるはずである。といっても中国の原子力発電所はそう簡単には破壊できないであろうし、それができるくらいなら、中国共産党を崩壊させる革命でも起こしてて講和する方が簡単である。

 

だが、あれだけの巨大な国家が民主主義に移行するほうがよっぽど扱いにくい(何年かごとに政権が変わるたびに何をしてくるか分からない!軍事クーデターの可能性も捨てきれない!!)のであるから、今の体制が良いに決まっている。

 

中国の軍事力はもちろん警戒しなければならないが、そんなのは枝葉である。彼らの世界戦略の前では軍事プレゼンスなど one of them である、part of his world である。海上を航海する空母などモーターショーで立っているおねーさま、筋肉むきむきのお兄さんに過ぎない。その背後にどれだけのものがあるか。

 

一路一帯がインドを封じ込める総合的戦略、アフリカへの投資がヨーロッパ、アメリカに対する地政学的強化、と考えるならば、太平洋方面の戦略が南シナ海の確保にあるのは明らかである。それを支え続ける体力が中国にあるのか、というのが第一の日本の戦術である。そして、アフリカにおける経済戦争への参加は第二であろう。あの地域に進出するなら、自衛隊の外征も議論不可避であろう。猶予はさほどない。

 

拙速は巧遅に勝るというが、巧速が常に一番良いとは限らない。時機というものは早ければ良いとは言えない。タイミングの見極めが重要だ。だが、今はどうか。少なくとも中国は拙速でも数を打つと戦略を堂々と推し進めている。どうしも必要なものなら後からでも必ず追いつくはずだ、ならば、今は無視しても構わない。もし間違えているなら後から謝罪すればよい。前もって謝罪するなど時間の無駄だ。それでも許さなければ札束で屈服させる。もっと速度を速めよ。

 

すでにアメリカで開発するより、中国で開発するほうが速いという話を聞いた。アメリカで一か月かかるものが中国なら一週間という。日本ならさしずめ一年であろうか。もちろん、全体の八割を作るのはすぐできる。そこから85%、90%、94%、98%、100%と完成度を高めるのに莫大な時間がかかる。それは反比例する。つまり、98%の日本、90%のアメリカ、85%の中国という構図かも知れない。だが、それで市場投入できる総合力には脅威すべきだ。

 

5年後が面白い世界である。