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枝野立憲代表、護衛艦「空母化」を批判

枝野立憲代表、護衛艦「空母化」を批判:時事ドットコム

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海洋戦力は空母と潜水艦が中心である。そのいずれも、ミサイルを運ぶ手段である。WWII 後の軍事とは、ミサイルのバリエーションの繚乱であって、その全体の中で兵器は考えないと行けない。

 

空母は航空戦力を外洋に運ぶ手段であるが、第二次世界大戦で有用性が決定的になったもので、最終的には航空機が有用なのではなく、航空機が運ぶミサイルである。

 

潜水艦もまた同様であって、相手に知られぬ位置からミサイルを投入できるから有用なのである。

 

空母は相手国の近くでミサイルを投入するための戦力であり、もちろん、それ以外に、航空機を使用しての様々な情報収集が重要であろう。実は、空母の主目的は情報収集にあるのではないか。

 

空母が活躍した戦争といえばフォークランド紛争である。当初、アルゼンチン艦隊は、アスターテ会戦よろしく三方向からイギリス艦隊を攻めようとしたが故障などの要因から攻撃は見送られた。

 

そのためイギリスはフォークランド島への上陸を簡易に成功させるが、ここからアルゼンチン海軍の怒涛の反撃が始まる。エクゼセミサイルを撃って撃って撃ちまくる。悲しいかな、ミサイル技術には十年以上の開きがあったようだ。それほど旧式で廉価版であったため決定的な打撃を与えられないまま戦争は終結した(よく知らない、適当)。

 

空母を一隻でも沈めていれば戦争の趨勢は逆転したかもしれぬ。しかし、空母の代わりに6隻の艦船を沈没させる奮戦は見せた。なぜイギリスが勝てたかのかより、なぜアルゼンチンは勝てなかったのか、これがフォークランド戦争が残した遺産であろう。

 

いずれにしろ、日本の空母保有は今後の防衛大綱にひとつの方向を示唆する。北朝鮮のような国でも世界の裏側までミサイルを送り込む事が可能になった時代に空母の意味とは何であろう。

 

いずもの空母化に、戦力的な意味はない。諸島防衛にも役に立つのだろうか。陸地が近いのだから、そこから航空機を持ってゆけばよい。特に飛行場が建設できないような島なら尚更である。奪還するのに意味があるとも思えない。両国からほぼ等しい場所にある島である。まさか、日本から遠く離れた島で戦争する気ではあるまい。

 

陸上から幾らでも航空機を支援できる状況で、たった10機程度の航空機に何をやらせるのだろうか。その何割かは空母の護衛に当てる。残りの数機が攻撃に参加できる勘定になる。そのためにどれほどの予算と人材を投入する気か。

 

アメリカや中国が如何に空母を保有していると雖も、空母群だけで戦争ができるわけではない。最終的には陸上兵力が必要である。それは海を超えなければならない。だから海上護衛が必要である。そのためには制空権も必要になるだろう。それを空軍だけで補うのは無理だ。だから海軍が飛行機も持ってゆく事になる。

 

日本が空母を持つなら、外征型の軍隊を保有する意思表示になるが、それでどこに行く気だろうか。まさか風に聞いてくれという話ではあるまい。アメリカはヨーロッパを見据えているし、中国は恐らくインドやアフリカを見ている。

 

日本はどこに勢力を張りたいのか。この戦略が前提に必要なはずだ。場所は分からないけど、とりあえず空母が欲しいでは中学生の買い物である。もちろん、欲しいと思って翌日手に入る空母などないから、10年後を見据えて準備する必要がある。

 

だが、その準備とはどういう類のものか。いま、軍事技術は新しいステージに入りつつあるだろう。ドローン・無人機技術、AI など新しい軍隊が生まれる時期に、果たして空母は最優先すべきカテゴリだろうか、それに当てる予算は妥当であろうのか。

 

思うに、この国は世界で最も早く戦艦から空母に主力を切り替えた国である。その先見性は誇ってもいいだろうが、当時の人々に言わせるなら、大和、武蔵に使った金をもし航空戦力に使えていたら,という恨み節がある。

 

空母保有に異議を唱えるのはそうおかしな話ではなかろう。戦争の棚卸しがまだな状況で次に進んでも良い結果は得られまい。周辺国はそのカードを手放していない。特に中国がこれだけの力を付け、アメリカが保護主義的な今の優先事項とは思えない。もちろん、アメリカの丁稚部隊を創設したいのなら話は別だ。

 

純軍事的に考えても同じ予算を投入するなら空母が最優先ではあるまい。しょせん、空母にロマン以上の意味はない。日本は、空母を潜水艦で沈める図を夢想していれば十分ではないか。