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書き溜めの集積場

ドクターイエロー引退しません 3代目、20年度も運行

www.asahi.com

 

この記事を何回か読んだが、どうも意味が通じない。「だから、どうした」が最強の返し言葉と聞いた事はあるが、「だから、どうした」と言えるのは相手の意味が理解できた場合だ。この記事は意図が理解できない。「嫌味の朝日」の真骨頂と言えよう。

 

走りながら架線や線路を点検するため「新幹線のお医者さん」と言われる、ドクターイエローが2020年度も運行を続ける。 

 「運行を続ける」が記事になる以上、運行を続けないが前提としてないといけない。例えば、原発が40年を超えても運用を継続するような場合の書き方である。

 

JR東海が22日、株主総会で明らかにした。19年度末に引退が決まっている東海道新幹線700系をベースに製造されており、引退の時期に注目が集まっていた。 

 700系をベースにしているのが同時に引退する理由になるのか。走行時間も距離も違うと思われる。仮に毎日走行しているとしても、重量も走行速度も違う。車体に掛かる負荷は違うだろう。

www.nikkei.com

 

近年は700系はこだまとして利用されてきた。今回の引退も耐用年数が来たというよりは、後継車輌であるN,A型が足りてきたことによる廃止ではないか。JR西日本では今後も運航すると書かれているし。

 

「700系の引退に合わせドクターイエローも引退するのでは」と株主が質問すると、JR東海側は「700系が営業を終えた後もドクターイエローは検測を続ける」と答えた。 

 質問はいいし、回答にも別に違和感は感じない。こういう質問がありました。こう回答されました、だけでも十分にニュース記事になるはずだが、どうしてこういう書き方になるのか。

 

現在は3代目で、2001年に登場した。鮮やかな黄色い車体などからファンも多い。

ドクターイエローの人気はその機能性、存在意義、希少性だと思う。仮に黄色でなくとも人気は出るはずである。

 

現在、営業車両の9割を占めるのは、700系の機能を向上させたN700系とN700A。N700系の一部に点検機能をつけたが、より精度の高い点検にはドクターイエローが必要だという。(山下奈緒子)

どうもこの山下奈緒子という記者は、700系の引退に合わせてドクターイエローも引退すべきと誘導したがっているように読める。この書き方には注目すべきである。

 

「必要だという」という書き方は伝聞のそれであって、そりゃJR東海からの伝聞には違いない。だが、そんなことを言い出したら、新聞記事はすべて伝聞である。すべての文末に「という」と付ける気があるのだろうか。だから、この伝聞調には「ある意味」が込められているのは明白である。

 

「必要だという」と書いた場合、記者は当然、「必要ではない」と書きたいわけである。ポジティブによってネガティブを想起させるのは、彼ら/彼女らの常套手段なのである。

 

その補完として、その前節が「~が」と逆説から繋げている事を挙げよう。「~であるが、~と言われている。」この形式の文章は一般的に次のような構造をとる。

  1. 前節に一般論、後節に相手の主張(伝聞)
  2. 前節に相手の意見、後節に一般論(伝聞)

 

いずれも断言はしないが、一般論を支持し、疑問、反論をサジェストする書き方である。暗示なので特に意識しないと、その主張が正として刷り込まれてしまう。

 

新聞社はこういう技法に長けており、かつ、狡猾である。そのため、この記事の意図がまったく理解しづらくなっている。ドクターイエローの引退など、朝日新聞の記者に指図されるまでもない。JR各社が計画を持っているであろうし、東京電力でさえ防波堤を高くする議論は始めていた。

 

もしドクターイエローが無理して使われて危険だと指摘したいのであれば、その通りに書けばよい。このような誘導技法は必要ないはずである。そのまま書けばいいんですよ、最近よく聞く。

 

この記者が何を意図してこのような文章を書いたのか理解できない。この記者の厚顔が羨ましい。そういう逞しさは、朝日新聞という小さなコミュニティの中にいるという安心感が支えているのではないかと、思ったりもする。人間、何かにすがらない限り厚かましくはなれないからである。

 

この記者が参考にしたのは以下の記事ではないか。

toyokeizai.net

  1. 車両検査のローテーションに合わせた運航停止が予想される。
  2. JR東海では700系の車両検査は終了した。
  3. JR西日本はまだ運転を継続する。
  4. ドクターイエローそのものが不要になるかも。

そういう内容だった。

 

朝日新聞ともあろうものが、紙面を埋めるためとはいえ、今日のゴシップなんか流すな。