MRJがデモ飛行 英で国際航空ショー開幕

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三菱電機の製品を使って以来、三菱の技術力には懐疑派である。特にハードウェアは良くても、ソフトウェアが致命的にクソだ、というのが今の所感である。

 

よってMRJにおいてもそういうていたらくではないか想像している。勿論これは何の根拠も資料もない感想というよりは妄想の話である。

 

2002年から始まったMRJプロジェクトは、その野心がそれ以前からあった事の証明に他ならず、この時期に小型旅客機をターゲットにしたのは慧眼であったに違いない。

 

2008年から事業を開始し2013年に納入を目指していたが、現在もまだ開発中である。現在の予定は2020年である。7年伸長された。その原因にも様々あるが、主に機体の遅れ、審査の遅れが二本柱のようだ。

 

航空機の開発遅延など直近の20機種も持ってきても、それぞれの計画と実際を比較すれば、だいたいの遅れ具合が把握できるものである。そうすれば、おおよその目安が求まる。特に初めてとなれば、5年程度の遅れは恐らくバッファの内である。

 

もちろん、航空機の遅れよりも、型式証明に対する取り組みが、最大の遺産となるのであって、たとえMRJが転けようとも、この経験だけはドブに捨ててはいけない。次期開発に生かさなければ無意味である。

 

ビジネス環境としては小型ジェットの市場は厳しくなった、世界中の航空機メーカーが続々新機種を投入中であるし、ボーイングエアバスも参入を表明した。

 

10年先の航空機がどのような構図になっているか予想などできないが、MRJのビジネスが前途多難であるのは間違いない。画期性や信頼性の高さだけで勝利できる市場ではない。墜落したけど乗客が全員無事みたいな事故でも起きれば株価はうなぎのぼり(絶滅しどうだけど)になりそうだけど、起きそうにない(起きては困る)。

 

日本は敗戦によって数少ない航空技術者を鉄道や車に振り分けた。そのお陰かどうかは知らないが、鉄道でも乗用車でも世界のトップクラスに躍り出た。ビジネス的に勝者であるかは別にしても製品は世界に誇れる出来であろう(不満がないわけではない)。

 

三菱自動車はちょっとあの始末であったが、日本工業界としては航空機は悲願であろう。航空機へフィードバックするために今までやってきたと言うのは過言であろうが遠くもなかろう。

 

ロケットよりも後回しとなった航空機産業であるが(YS11はあるとはいえ)、ようやく原点に戻ってきたという感慨を感じる。なんとも遠回りしてきた。航空機が世界を制する、これが20世紀、21世紀の真実だ。

 

HondaJet といい T-4、C-2、P-1などの自衛隊機といい、近年の航空機開発は魅力的だ。その最大の難関がジェットエンジンにあるのは間違いなく、エンジンでは二度と負けないがこの国の戦後の工業技術者の合言葉であった。やって最期のジェットエンジンに手をかけられる所まできた。

 

まずは世界に通用する旅客機と戦闘機が目標である。そのひとつにやっと手をかけたのが三菱である。それを掴み取るには、開発だけでは不十分で、その後のビジネス展開への準備も万端であるのは明らかである。

 

運用が始まれば初期不良に見舞われるのが世の常である。2020年にはANAに納入されるニュースが新聞の一面を飾るのは間違いない。その後に、何回かはトラブルで紙面を賑わすはずである。

 

そうやって信頼を得て製品が市場の受け入れられてゆく。一度運用されれば数十年の間は空を飛ぶだろう。その間にも改良が繰り返され航空機として成熟する。完成形にお目にかかれるのは2040年くらいであろうか。

 

空を飛ぶだけが航空機の姿ではない。その性質上(新幹線にしか乗らないから)、MRJに搭乗する機会は訪れないと思うが、この航空機の前途の有望を願う。

 

(そのソフトウェア、本当に大丈夫?)