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仙谷由人元官房長官死去、72歳

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政治には無知なひとりの感想であるが、野中広務仙谷由人はとてもよく似た印象を持っている。最後まで頂点に立つことはなく、背後から睨みを利かしながら、事後の後始末に尽力した人というイメージである。

 

人が能力を発揮するには、先に行き露払いをする人と、後からゴミ拾いをする人が欠かせない。道を作るとは、そういう人たちがいなければどうしようもないし、大仕事になればなるほど、いつの時代もそういう人たちが存在していた。西郷隆盛自身がそうであったかもしれないし、大久保利通もそうであったかもしれない。彼らは互いに道を掃き、ごみを拾った間柄だったのではないか。

 

具体的にこの人の仕事を列挙はしないが、どうせ振り返れば半分も満足した結果にはなっていないに決まっている。理想はある、現実がある。問題は落とし所だ。政治家とはそういうものだろう。理想だけが語りたければ、そういう場所は幾らでもあったはずで、あえて、泥の中に手を突っ込むような場所に来てそういう仕事をした人である、そう思っている。

 

政治家とは何だろうか、と考える時、語る内容よりも声の方がずっと後まで残って、声でその人となりを判断しているような所がある。当然であるが、完全にこの人の考えに賛意を表するわけではないが、この人の話し方は好きだった。彼の声が思い出される。

 

脆弱な民主党をよく支えた人だった。志半ばで民意も得られず政界から去ることになったとしても、政治家というのはだいたいがそういう末路を辿るものである。ライオンでさえ老いれば狩られて肉を残し骨となるのだ。

 

政治家たるもの道半ばで断念すると相場は決まっているのである。彼もまた本望であったろうと願う。見事な政治家のひとりであったと思う。