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ゴーン前会長を特別背任容疑で再逮捕 東京地検特捜部

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さすがに、これは本末転倒となる気がする。この件に関してはフランスが本気で動き出してもおかしくない。マクロンは国内の暴動で評価を下げたとはいえ、トランプにも一歩も引かず主張を押し通した男である。

 

フランスの検察制度では2011年からとはいえ、取り調べでの弁護士の同席、可視化を導入しているそうである。

 

アメリカのドラマを見ていたら当然のように I need a Lawyer というセリフを聞く。これを言われると、捜査官からしたら敵認定である。だから、よくあるシーンとして、ちょっと待て、よく考えよう、ここで自白してくれたら、かなり軽い罪で済ませるよ、刑務所だって考慮する、みたいな流れになる。

 

司法制度における被告の権利は、当然ながら権力を制限する憲法の成立と同じ理念から生じているものであって、おそらく日本の司法制度は、世界的には遅れている。その遅れ方は、現在主流となっている西洋型の司法制度を根本的に、つまり理念を理解していない、と見做されても仕方ないレベルだ。

 

だからヨーロッパ諸国からしたら、このゴーンの再拘留は恐らく信じがたいものと思われる。そして日本の司法制度がどうなっているかについて本気で調べ始めるだろう。

 

その結果、このような司法制度なら99%の有罪率も納得である。日本の裁判所は検察の犬ではないか、という論調が形成されたら、僕がフランス政府の中の人ならそういう進言する、その主張を世界中に吹聴する、だから、日本の判決は信頼できない、という世論を生み出そうとする。いい塩梅に中国によいお手本がある。中国と比較し、中国よりも遅れている、という流れになったもう取返せない。

 

するとルノーはゴーンを解任する理由がなくなるし、日産幹部のとった行動は、反乱ということになる。反乱なら処分する名目になるし、当然ながら、生え抜きの日産の幹部には企業を統治する能力がないなら、ルノーがその変わりを務めるしかない。そのためには完全子会社化するのが最も妥当な道である。

 

そういうシナリオが作れるわけだし、ここから先は世界の人々がどちらが先に信用するかの問題になる。決して日本の得意分野ではない場所で戦わなければならない。ゴーン逮捕のニュースが話題となっているのは、日本とフランスだけではない。世界中に多くの工場を展開する日産である。工場を誘致している国の全員が注目している。インドネシアのニュースも大々的に取り上げていた。

 

当然だが、アメリカだってテロリストには従来の非合法的取り調べを合法化したし、ヨーロッパにおける犯罪捜査もきれいごとだけで終わっているとは思えない。相当に汚い手も使っているし、理念から逸脱する行為だって数えきれないはずだ。

 

逆に運用における手心の加え方は日本の警察の方がずっと上手にしている。だが争点となるのは運用の上手い下手ではない。他の国がそれを理解する必要はないし、たとえ理解しても、それで引き下がる必要もない。

 

ここから先は、もう全く先が読めない。ゴーンの返り咲きさえ50:50でありそうだ。日本の検察が、裁判所がなんといおうと世界的に日本の司法制度への批判が高まれば、有罪でさえ無効とする申し入れがなされるだろう、その結果、釈放しないのは人権侵害であるという論調が大勢を占めれば、検察官の自殺くらいで済む問題ではなくなる。

 

当然だが、ゴーンは日産に対して名誉の回復だけではない。損害賠償として数千億程度を要求しても何ら不思議はない。100億円をけちってずいぶんと高い代償となるかも知れない。

 

自分たちの未来を、検察に託している状況は、決して気を緩めて良い状況ではなくなった。日本の行政と手を組んでもろくな結果は得られない。これまでの流れだけなら、十分に説得力をもって世界に情報を発信できた。だが、事件が日本の司法制度の後進性にシフトすると、日産のガバナンスなど霞んでしまう。

 

それくらいにこの再拘留は事件のターニングポイントとなる、趨勢を決するものと思われる。囲碁に例えるならばこれは事件である。未来がどうなるかは知らないが、下手を打ったのは日本の側だと思う。日本にもそう考えている人はたくさんいるのではないか。

 

いま政府が動かないなら、相当にマズい状況にあると思う。明日、取り調べ官が不慮の事故で入院しても何ら驚かない自信がある。