「日本の哨戒機、低空で威嚇飛行した」韓国国防省が抗議

www.asahi.com

 

これは面白い反応だ。海軍同士の威嚇が実際はどの程度で起きるのかは知らない。国際的には当然だが、同盟国と敵対国で距離感が違うのは当然として、交戦状態にあるかどうかでも違ってくる。

 

ロシアはクリミア半島を巡って、ウクライナ海軍の艦船を拿捕していたが、これは対立状態にあるので、そうビックリするような話ではない。互いに挑発しあって、この辺りが限界線かと手探りしている感じがする。

 

翻って韓国と日本は米軍を通しての同盟関係にあるから、この韓国の反応については、勘繰るしかないように感じる。同盟国なのに、なぜそんなに近づくのか、と韓国は主張したいのか知れないし、それにも一理はある。

 

だが、排他的経済水域 (EEZ) での行動であるから、日本側からすれば、何をしてるんだ、と対応するのは当然と思われる。

 

すると、なぜ韓国はここまで強硬に反応したのかについて、どうしても隠しておきたい何かがある、と勘繰るのは当然であって、すると話はぐっと日本に有利になる。しっぽさえ掴んでしまえばいいのだ。追い詰められたのは韓国側というのが今の状況だろう。

 

外務省や防衛省の人たちは、ある程度の予測はしているだろうし、大筋では正しく理解していると思われるのだが、日本側からすれば、左派、右派系の過激だったり無責任な論壇を封じるのが最重要課題だろうし、併せて、韓国のこの態度に対して、それを正しく韓国の内政上の問題として捉えることも重要だろう。

 

なぜ韓国がここまで強硬な態度をとるのかについては、韓国国内における政治的力学が強く影響しているのは間違いあるまい。特に、大統領が次々と刑務所に入れられるような国家で、現在の大統領が、その後を考えて行動するのは自然と思われる。

 

それが韓国にとって致命的なまでの足枷だと諸外国は認識しているだろうが、彼らのネックをわざわざ忠告するお人よしもいない。それは彼らが抱える課題である。彼らの反日感情は、日本にとっても有効なカードであるが、使いどころは難しい。

 

韓国にとって当面の重要な課題である北朝鮮問題が、ぼやけていることが直接的な理由であろうか。これが内政、外政上の行動に影響していると考えられる。ここでイニシアチブを失った韓国政府が、日本との関係を利用して何かを狙っている。

 

それが内政問題のどういう課題とリンクしているのか。おそらく経済問題だろうとは思われるが、日本を相手に強硬な態度をとるのはブラフという気がする。

 

韓国が北朝鮮の問題が解決した後の世界について考えていないはずもない。そこでは中国と国境を隣接する世界が始まる。北朝鮮というバッファを失うことは、深刻な懸念であるはずだ。

 

そんな状況を考えるくらいなら北朝鮮が存続するほうが望ましいように思われる。朝鮮半島は統一するリスクが大きすぎる。そこをどう乗り切るかは半島に政府をもつ民族の宿命だ。

 

日本に対する強硬な態度は、その背景に経済問題があると考えるのが妥当だろう。そして、韓国国内で新しい世論が形成されつつあるのではないか。その世論を無視できない政治状況がある、それを見極めておくことが重要だと思うのだが、それ以上のことは何も知らないので、何も言えなくて。