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米露艦艇がフィリピン沖で異常接近、非難の応酬

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 写真を見る限りは、直進するアメリカ艦艇に対して、ロシア艦艇が急ターンをしているように見える。船はそう簡単に曲がらないという話を聞いているので、このターンの成功が偶然なのか、それとも、これだけの動きができる艦艇であるのか、私には分からない。

 

だから、アメリカ艦艇が突然進路変更したため、ロシア艦艇が緊急回避を強いられたというのは、どうも眉唾である。少なくともロシアの言い分の説得力は弱い。報道というものはどのような切り取り方も見せ方も出来るので、写真でさえ今や説得力はない。どれほどの加工がされているのかと疑ってみなければならないほど、テクノロジーの発達が著しい。目の前の写真でさえ疑う程度では見破れなくなってきているのである。

 

だが、このニュースで驚くべきは、もしかしてロシアは中国の丁稚になったのか、という感慨である。フィリピン沖で起きている事は、乃ち南シナ海で起きている事であり、アメリカ vs ロシア・中国という構図が固まりつつあるのではないだろうか。

 

米中の貿易戦争は、最終的に、中国がアメリカ依存を脱却できるかどうかにかかっている。アメリカは中国を屈服できるかどうかにかかっている。そういう意味で、最終的にアメリカが敗北するのは明らかである。長征を掲げる以上、いつかは実現する。

 

トランプ政権の主張は市場の確保ではない。アメリカという巨大な市場からの略奪への懸念であり、それが他国を利する、自国を害する状況を危惧したものだ。彼から見れば、他国とはアメリカに張り付く寄生虫のようなものだろう。同じ規制なら、相利は許すが、片利、片害ならば我慢できないとなる。

 

この両国の争いは単なる経済問題ではなく、次世代を決定する技術の覇権争いも含まれる。技術は民生、軍事の区別なく、競争力の源泉であるから、ここで劣っては不利になる。よって、技術を伸ばすにはどのような教育システム、インセンティブ、移民政策、経済政策が有効かという社会実験の場となる。

 

ここが新しい経済システムのコアかも知れない。思えば、帝国主義とは第一次産業で勝利するための仕組みである。農作物(資源、石油など)を生産地からより安く収奪する仕組みであった。この市場と生産地の距離を支えたのが蒸気機関を始めとするテクノロジーで、貿易をより活発化させた。

 

この経済システムと対抗したのが資本主義であり、その中身は工業製品であった。工場と労働力によって生産したものを売るための市場を拡大するための仕組みであった。市場を支えるものは人間であるから、自然と人間を増やす方向に向かう。健全な市場を支えるものとして基本的人権を掲げた。これが市場の人口を増やす最も堅実な方法であった。

 

帝国主義と資本主義の対立は、第一次産業第二次産業の覇権争いであって、その決着は1945年についた。その後の冷戦は、工業化の闘争であった。ロシアの重工業はアメリカの重工業の前で結局敗北した。

 

同じころ、コンピュータがPCになる。小型化の先にスマートフォンが誕生する。と同時にAIが一般化した。第三次産業が経済の主体になったのだが、その闘争がとういう形で起きるかは誰にも予想できなかった。

 

ひとつに工業化と情報化の争いがある。勝者が情報化の側であるのは間違いないが、日本は今もトヨタを主力に据えている。その当のトヨタが情報化の前で非常な危機感を抱いているのはご存じの通りだ。

 

米中の貿易戦争も、多様な品目を目の前すると茫洋とする気もするが、最終的な本質は情報化の覇権争いであろうと思われる。5Gにおいて中国企業が先行していることは注目すべき事項だ。故にアメリカが Huawei を危険視するのは当然である。

 

HuaweiやZTE の有利さは、価格にあるというのが一般的な見方だ。この価格有利さに、中国の有利さがあることは間違いない。日本が企業に補助金を出して競争力を向上させようとしたのと同じである。

 

情報化の勝利者は、では、格安によって処理したものか、かつての牛丼で行われたような格安による闘争をしかけて体力のある側が残る。相手が倒れた後で、市場のすべてを独占する、そのような戦略が最も有望なのか。

 

人間が考える限り、この戦術はかなり良い手に見える。そして体力の削りあいをするなら、国家が後ろ盾につくほど有利である。その仕組みを中国は持っている、アメリカは持っていない。さらに言えば、アメリカはそういう体制になりたくない。

 

だが、共産思想を排除するためにあれだけの赤狩りレッドパージ)をした国が、この度も何等かの争いを仕掛けないとは限らない。だが、あの時代は、経済圏が完全に分かれていたと言える。ソビエトという市場とアメリカという市場はセパレートしていたが、中国とアメリカは市場をブロック化する気はないのだろう。

 

ロシアはアメリカと対抗する事で存在感を際立たせるのが基本戦略であろう。よってアメリカと対立する所には必ずロシアがいる。それどころか献身的にまで行動する。だから中国がアメリカと対立する時、ロシアという存在に注目しなかったはずもない。そういう行動によって得られる利益というものがある。

 

もしアメリカが、日本やヨーロッパまでも排除して独自の路線で進むというなら、それがどうなるかは分からない。アメリカの強みは基軸通貨がドルである点にあるはずだが、そうであるなら中国が最終的な目標をそこに携えないはずがない。ここだけは完全な実力によって決まる。それは巨大な市場を持つ側によって決定する。

 

だから中国は強大な市場を生み出す(一帯一路構想)必要があるが、アメリカはどこまでもアメリカの人々による大量消費市場に頼っているように見える。この辺りが対立の終着駅だろうと思うのである。

 

どういう風に世界が転んでも、恐らく日本には入り込む余地がない。日本の経済的独自性は、石油や資源にはない。農作物でもない。技術でさえない。工業でさえない。恐らく素材しかない。化学的な部分において日本には相当の強みと伝統があるように見える。