高杉真宙「前田建設ファンタジー営業部」映画化で主演 マジンガーZの地下格納庫兼プールを建設!?

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あ、勘違いしてた。本当に光子力研究所のある世界で、架空の前田建設が、本当の格納庫を設計、製造、納品するまでの物語かと思っていたら、本当の前田建設が、架空の光子力研究所に対して、本気の見積書を提出する方の話か。

 

本当の光子力研究所を出すなら、もうCG使いまくりのマジンガーZのCGで動く所も見たいし、機械獣との戦闘シーンも描ける。格納庫が必要だという要求を受けて建造するなら、膨らむ予算、政府からの横やり、アシュラ男爵らの妨害工作など、それなりのストーリーも作れそうだ。

 

いかんせん、エンジニアが主役のアニメも特撮も少ない。本当は彼らがいないと作品世界そのものが成り立たないのに。一番よく描けているのは漫画版パトレイバーだろうか。

 

本家のページを読んでみたら、映画化の前にもう舞台化されていた。その後のPROJECTなんか小説仕立てになってる。以前読んだ時とは雰囲気が変わってる。展開が広いなぁ。

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建設業を世間に問うという大命題がある以上、余りにマニアックだと話題性に乏しいだろうし、著作権の許可など面倒な話もあるだろうけど、サンダーバード基地なんかも設計してみたりしている。

 

可能ならウルトラマンシリーズの基地なんかも興味あるなあ。ZAT(タロウ)なんか街中に一本足の構造物だから、だぶん物理法則をかなり無理してそうだ。構造計算の途中で、それまでにない架空の資材も必要になりそう。

 

建設業という意味では、ダムから発進するグレンダイザーならヨーロッパでも人気でそう。

 

だいたいアニメや特撮の構造物は、基本的にパターンがある。地中に埋もれている、どこかの扉が開いて収納する、カッコよい発進シーン。所が、出発シーンは一杯あるが、格納シーンはあまり見せない。これは、出発シーンがカッコよくなるようにデザインされているからとも言える。

 

実際に設計する時には映像に移っていない部分や機能もたくさん考慮しているのだろう。一回出撃したら、二度と格納できませんでは話にならないし、関係法令さえチェックしているかも知れない。

 

映画作品としては、困難に立ち向かう部分と人々の協力を取り付ける部分が必要だし、企画書作成の話をたんたんと進めても映画にはならない。当然のように恋愛要素も織り交ぜないといけない。

 

発想は実際のWebコンテンツだが、作品としては三浦しをん舟を編むなどのような現実社会のとある部署といった描き方になるのだろうか。

 

すると勝負はキャラクターの膨らませ方になるが、マジンガー世代のいい俳優というのはたぶん、たくさんいる。誰が配役かは知らないが、上川隆也などはザンボット好きと公言しているので、結構いいのではなかろうか。

 

主人公が若い人なので、思い入れはないはずだ。だから年取ったおじさんの思い入れが最初の物語の出発点となると思われる。企画をもらってから作品を見直す、そこで作品にはまってゆくという描き方が物語の起伏は持ち易い気がする。DVD-BOXを会社の経費で購入するくだりもあったりするだろう。

 

最初からファンでした、主人公のやる気だけで押し切りますでは、起承転結が辛くなりそう。だから、最初は乗り気でない所からやる気が出る、それに応じて、恋愛も上手く転がり始める、あたりが物語の王道ではなかろうか。そこにマジンガーという具体性と、実際に行う構造計算などの困難さを如何に分かりやすく、だけど現実的に描けるかが、注目ポイントだと思う。

 

アニメというコンテンツだから、上手くすれば海外でも話題になる可能性がある。これはアニメーションと邦画のハイブリッドであるし、また現実社会における建築業という面白さを伝えるドキュメンタリー的側面も持つ。現実的な課題や事故なども含めて描くとより奥行もでるだろう。

 

アニメというX軸、邦画というY軸、現実というZ軸。きちんと作れば面白くないはずがない、そういう類の素材だろうと思う。