吉本興業・岡本昭彦社長、あす22日会見へ 松本人志「そうしないとこの会社はダメ」

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今から、クイズ☆正解は一年後がどうなるか、笑いが止まらない。半年もすれば、笑いに変えられるようになっているはずだ。

 

この泥沼がどういう結果を見出すかは知らない。だが、明石家さんまが、吉本と袂を分かつ覚悟の上で動こうとしている事に、とても重要な事件を見た。

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最初は、彼らを謹慎にさせて、社内で罰則を与える。これによって、社会的な制裁の変わりにしようとした。この動きは極めて正しいと思われる。多くの不祥事など、どうせ半年もすれば忘れられるのである。年を跨いでもしつこく非難されたのは、矢口真里ベッキーくらいのもんである。名前を奪われた能年玲奈はここでは無視する。

 

それだけならば、恐らく、よくある話のひとつで終わっだあろう。多くテレビ局もスタッフもそう考えていたし、彼らの代役を立てる事で、ちょっとした箸休め的に考えていたであろう。

 

アメトーークの司会代役にロンブーの敦を呼んで、相方がやらかした芸人をすれば面白いに決まっている。

 

不平不満がなかったわけではない。だが、ここまではまだ多くの人にとっての許容範囲であったはずだ。しゃーないやろ、でみんな納得していた。

 

事件が一機に動くには、あるきっかけがある。フランス革命のネッケル罷免である。これを境に事件は一気に動く、フランス人の気質よろしく徹底した恐怖政治を生み、ナポレオンの登場まで一気に歴史が動いたのである。

 

明治維新に例えるならば、吉田松陰の首を跳ねた時に幕府の命数は尽きた。井伊大老がもし吉田松陰を殺さなければ、のちの明治維新がどう変わっていたかは誰にも分からない。

 

それが解雇通告であったろう事は予想に難くない。だが、解雇そのものは、ニュースで見る限り、とてもいい訳ができるものではなく、より犯罪者と親しい関係を印象付けるものであった。もし、これが釈明通りの話であれば、これはフェイクである。陰謀論である、裏で誰かが画策したと考えられる。その一手が今を決めた。

 

バスティーユ襲撃、または、功山寺挙兵がこの会見であった。彼らはそこで何もかも話した。解雇されたから、誰も口止めできない、というのが上手く働いた。そこには、誰も知らなかった話ばかりがあった。もちろん、タレント側だけが正直でイノセントと考えるべきではない。

 

知っていながら沈黙を通そうとした人、なんとかならないかと裏から手を通した人、ひとり何かあれば駆けつけると決意していた人、そういう人たちの全てが、この会見を見ていた。泣いたのはひとりふたりではあるまい。

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「あの東野幸治が泣いている」はもちろん、ミッターマイヤーの挿話であるが、

吉本興業の横柄な態度、もしも気になったりする方がいらっしゃったらスタッフの皆さんとか、他の所属のタレントのみなさんとか、一般の方でもいいんですけど、言っていただけたら、僕とか松本(人志)さんとか。今田(耕司)さんとか、浜田(雅功)さんとか(明石家)さんまさんに言ってもらったら、上の方に話しやすいので、言っていただきたいなとは思います。 

 

は、彼の精一杯の込めた願いだろう。上手く、落ち着いた所に戻って欲しい。

 

「そういじめてくれるな、我々芸人はテレビではちやほやされているが、かくも弱い存在なのだ。」田村玲子の挿話を思い出す。

 

少なくとも、この事件が、反社会勢力、またはそれに類似する勢力との付き合い方を抜本から見直す契機となるだろう。

 

元来、興行は裏社会との結びつきが強かった。それがひとつの安定性を保つ役割さえ担っていた。故に、暴対法が強化されて以来、警察は頼りにならない、闇社会とは距離を保つしかない、とういう中で、芸能事務所も懸命に動いた。

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長く見なかった俳優がCMに出るケースがある。なぜ今頃と思うが、そりゃなんかの裏取引があったと下衆るのが当然であって、決して反社会勢力だけが、クズの巣窟ではないという話である。恐らく、語られていないだけで、そういう話は現実に幾らでもある。

 

そういうものも含めて、どうやって健全性を保つのか、どこまでを健全性と見做すのか、笑いである以上、下品さだけでは足りない、人間の負の部分にも目を向ける必要が出るだろう。社会が求めるクリーンさだけではこの世界は成立しない。それは必要悪というようなものでさえない。人間そのものである。

 

我々には許してはならない部分があると同時に、どうにかして折り合いを付けなければならない部分もある。裏社会を全て駆逐したところで、社会は決して健全にはならない。空白地帯に、今度は外国のマフィアが入り込んで、話は更にややこしくなる。

 

根本から考えるのは難しい。考えるのが難しいというよりも、そうしたら、どうしても白だけでは終わらなくなる。全ての色を見る勇気が必要となる。そんな深刻さは誰も求めていないよ、と言われたら、考えるのをやめるしかない。

 

そう、だれもそんなことは望んでいない。だけれども、みんなで開いた扉は、そういうところまで見なくちゃならないものかも知れない。その中に入ってゆく勇気はあるか。

 

吉本社長の会見は、こういう諸々に対する思想が求められているはずだ。ただ情に訴えるとか表面的な企業コンプライアンスの説明で足りるようなものではない。

 

いま、日本で一番悩んでいるひとりのはずだ。