「約ネバ」ママ役の北川景子 意気込みコメントが「ファンの鑑」と話題

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オファーを頂いてから漫画を読んだのですが、とても面白くて漫画の世界観に引き込まれていきました。特に私は年齢も近いイザベラにとても惹かれましたし、こんな面白い漫画は初めてだ!と大興奮で一気に読みました。ただ、この役のオファーをお受けするかどうかはなかなか決断することができずギリギリまで考えました。原作ファンの方々も大変多くいらっしゃいますし、オファーをいただいた時は、私には難しいのではないかなという気持ちの方が大きかったです。漫画原作の作品を映像化することの難しさはどんな俳優も嫌というほど理解していますし、今回このネバーランドの世界観を漫画のクオリティを損なうことなく実写化するというのは不可能なのではないかという思いがありました。最終的には以前一度ご一緒した平川監督とまた現場を踏んでみたいという思いと、イザベラの年齢設定やキャラクター含め原作の設定を一つも変えないという確約をいただけましたので、思い切ってお受けしようと決めました。私たちのイザベラとクローネをどうぞお楽しみに!

 

北川景子のベストはと言われても知らないくらいに知らない。CM以外で見た記憶がない。だけれども、この記事には違和感がある。

 

というのも、『魔法少女まどか☆マギカ』を見る環境にある人が、果たして「約束のネバーランド」を知らないという選択肢があるだろうか。本人が買わなくても回りに読む人がいないとは思えない。

 

更には、2018年のこのマンガがすごい!で一位獲得である。周囲の誰のアンテナにも探知されなかったとはこれまた考えにくい。表現者として様々な作品に触れておくのは当たり前だと思うし、お金に困って全巻買えないとも考えにくい。

 

だからこのお話があって始めて読んだというコメントに、普段から何も探していない人なのかと思った。ならば表現者としては勉強不足だから優れた才能もそのうち枯れるのではないかと思った。

 

確かに世の中には小説ばかりを読んだり映画を見たりばかりで漫画を読まない人は幾らでもいる。彼女もそうなのか。

 

それでも漫画は読まないにしてもアニメは見た事があるだろう。だから「オファーを頂いてから漫画を読んだのですが」という余計な一言を付け加えたのにどのような感情が込められているのかと訝る。

 

おそらく初心者という事を強く訴えたいのだろう。凄いファンであったら、その次に続く言葉の意味が変わってしまう、そういう考えがあったのではないだろうか。

 

更には「漫画原作の作品を映像化することの難しさはどんな俳優も嫌というほど理解しています」という言葉。アベンジャーズを見た事ないのか、あれだけ見事に映像化している作品を前にして確かに簡単という訳にはいかない。

 

しかし「難しさ」はそういう苦労だけど楽しいとは別の感情のように読める。それは邦画に関する限り、漫画やアニメの実写化は、汚点になる可能性が極めて高い。ほぼ全滅といってもよい。

 

もちろんクオリティ的に高い作品も幾つかあるだろう。例えば、アニメの実写化で成功したものにはヤッターマンがあると思う。あの作品はCGまで使ったコスプレとしては最高の出来である(ハリウッドと比べない場合)。だが、そこが限界、それ以上の先はない。

 

デビルマンキャシャーンのように永遠に語り継がれるような実写としての成功は、恐らく監督を除けば汚点でしかない。数十年後に再評価される可能性が0ではないとしても、ゴッホが去った後の夢のようなものを追いかける訳にもいくまい。

 

良くてコスプレ、普通はお遊戯、最良でもCGすごいみたいな邦画で、世界に引けを取らないのは、背景の映像的美しさのみであるという状況で、俳優がどのように取捨選択をしているかが垣間見えてとても良いコメントだと思う。

 

「原作の設定を一つも変えないという確約」を俳優側が要求しなければならないほど、邦画は監督も脚本も信頼されていない、恐らく死ぬほど横やりが入る経験を何度もしてきたのだろう。彼女はそこで何回も悔しい思いをしてきたのだろう。セーラームーンという作品をいつまでも大切している人だから、おそらく作品への思いは強い方だろう。

 

そう考えるなら、彼女は演じるだけではなく、作る側に回る可能性もあるのではないか。クレバーな人にも見えるから(実際は知らない、普段からそういう勉強をしている人が約束のネバーランドを読んでいないとは考えにくい)、プロデューサーとしても成功するかもしれない、将来が楽しみである。