血中酸素「52%」の男性、宿泊療養中に死亡…看護師が心拍数と間違え「95%」と記録

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最初にニュースを見た時、52と93を見間違えるなどあり得ないと思った。ヒューマンエラーとしてありないならデータ改竄以外は考えられず、よってこれは相当に悪質と考えた。

 

ヒューマンエラーは人間の世界では取り除きえず、よってその発生を極力減らすしかできない。人間は、調度いい位にミスをするから厄介なのである。機械でも時たましか起きない異常が最も厄介で、タイミングや環境のちょっとした違いの時だけ起きる事象には手を焼く。

 

いつも同じように頻発するミスなら対策の立てようもある。だが、時々起きるミスは追跡しきれない。だから、ユーザインターフェースは、起きうるミスを極力減らす、起きた事象について警告する。それによって、最後は人間の判断を、介入を前提とした設計に落ち着く。

 

もっとも信じられないのも人間なら最後の防波堤となるのも人間しかない。AIの未発展な社会ではそうするしかない。

 

よって読み違えのあるない以前に、なぜ警告音のひとつでも鳴らしておかなかったのか、という話になる。すると、これはヒューマンエラーではなく、インターフェイス不具合、仕様バグとも考えられる。

 

実際に使用している機器を見れば、なぜこんな製品を導入したと思うくらいの難読性が実現されている。こんなの正しく読ませる気などあるまい。ただ安いからという理由だけで選択したのではないか、そう思わせるLEDディスプレイに見える。

 

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なぜ電卓の数字は若干の斜めにしているのか、そうしなければ数値として読みにくいからだ。1と7は誤読し易い。5と9も縦棒一本の有無だけの差。もし左側に縦棒が補完され、錯視によって右の縦が左側に転写されれば簡単に読み違える。

 

記事によればどうやら52と93を見間違た訳ではない。血中濃度と心拍数を間違えたとある。すると血中酸素飽和濃度が52で心拍数が93なのを、酸素濃度が93で心拍数が52だったという事になる。どちらが有り得そうな数値か、ヒヤリハットな思いをする人は多いのだろう。

 

この取り違えなら、他の人たちの数値も全部誤記されていないといけない。すると、だいたいが90台の数値が仲良く並ぶのが標準の装置である。ならば読み違えは最初から仕組まれた運命であった、と言わざる得ない。

 

人間は思い込みをする。脳はその思い込みに都合よく世界を解釈する、それが人間が見た最終的には最も客観的な世界の真実だから、それを訂正するのは、他者との約束事しかない。

 

仮にピピという警告音があったとしても無視する可能性がある。振動や警告色でさえ故障として納得する可能性がある。だから、そもそもの原因は、この製品の本質的にもつ、難読性にあるのではないか。

 

改竄でない限り、そのような結論とせざる得ないと思う。