こういうニュースを聞く度に、安全だな、と思う。勿論、陸、海の汚染を人間が数cm単位で、風や潮流の流れで刻々と変化する状況の全てを知りえるはずもない。どこに海底のホットスポットがあるかなど把握し切れないのである。だから安心はするな、だが安全でいろ、で十分なのである。
他の化学物質と異なり、放射能は測定しやすいものだ。そして微妙であれば危険性が小さくなる事も知っている。数ppmで人も殺せる毒物なら他にたくさんある。
だから、全量検査をしている限り、福島県産、および栃木県などその周辺地域の作物は安全なのである。そういう流通経路から外れたものはその限りではない。
では何時まで続けるのか。これは事故との兼ね合いだし、放出された放射能量の半減期と関係する。また一般的に放射線量の推移はチェルノブイリという先例がある。そういうものを活用しつつ自然由来のバックグラウンド値を基準とすればよい。
具体的には、未検出が数十年続き、かつ半減期から十分に妥当と思われる年月までである。素人考えなら30年(Cs137の半減期)。
科学的根拠のあるエビデンスが今の福島を支えている。科学に敗北がない限り、その方向に揺るぎがない限り安全してよいはずである。
勿論、我々の科学は万能でも完全でもない。だから見落としもあれば、予期しない発見もある。これまで正しいとされた学説が、がらっと真反対に変わることも稀ではない。だから十分なマージンを与えて運用しているのが現状である。
我々は常に矛盾がないか、見落としがないか、常に不安であるべきなのだ。その上で、その確からしさを支えるものは、測定、検査、実験しかないのである。それが行われている限り、安全なのである。そして80%の安心と20%の不安あれ。