10 million bugs from my attempt @nanoris

書き溜めの集積場

【激動・朝鮮半島】拉致問題「既に解決」と北朝鮮ラジオが再主張

www.sankei.com

 

これはどうも中国の論法に似ている。互いの主張が対立する場合に、自らの立場を述べた上で、そのロジック上に「だからこうなのだ」と結論する。

 

尖閣諸島は我が国の領土である。だから、その海域で漁をするのに何ら問題はない。」「南シナ海は古来から中国のものである、だから基地を作るのは我々の権利である。」

 

このような論理を長く聞いてきたので、日本政府にも対応マニュアルくらいは作成済みと信じているが、本当にそうであるかは知らない。

 

しかし、だからといって、また同じことを言っているよ、では解決しない。なぜなら、これは当事者たちの議論ではないからだ。当然だが、この主張は全世界に向けて行っている。

 

たとえ日本だけが問題は解決されていないと主張しても、残りの130カ国が解決済みと認識すれば、問題は矮小化する。

 

これらの発言では、語った事よりも、語っていない事が重要である。この論理ならこういう主張があって当然なのに、それがない。どうしてか。なぜ、それを言わない?

 

そういう分析が必要と思われる。その諸島は我が国固有の領土である。だから、不正占拠をしている国を排除するのは当然の権利である、という言葉は聞かない。なぜなら、これを言うと当事者との間が更に険悪になるのは明らかだからだ。いま言うべき言葉でるか、冷酷なまでの判断の上で、冷静な戦略を展開している。

 

北朝鮮のこの発言も、ラジオである点が重要である。だから取り消すのは簡単だ。勝手にやったと当事者を銃殺にすればよい。だから、これは最初の一手でさえない。様子見である。こういう発言にどのような反応をするかを探る。

 

その応答によって相手がどこで妥協するかを推測する。その上で交渉を計画する。対立するもよし、決裂するもよし。トランプとの会談によって、軍事オプションは弱まり、対話路線に乗ろうとする時に、対応が難しいでしょう、と聞かれているのは明らかである。

 

アメリカの発言からは、核廃絶にかかる費用は日韓が負担するそうである。その事によって、日本も当事者として参加出来るようにしてくれたのは嬉しい。

 

だから、もし拉致問題が解決していないと主張するなら、日本は核廃棄のプロセルから脱退する、一円も払わないという手段もある。その結果、アメリカが怒ったり、ならいいよ、と中国が肩代わりした時にどうするのか、は準備しておく必要がある。

 

終わったと向こうが主張する。どれだけ反論しても平行線はユークリッド空間では交わない。それどころか、日本的にいえば、この状況でわざわざ波風を立てなくても、という状況である。

 

外交交渉はよく知らないが、基本的には3つしかないと思う。反対、無視、同意である。そもそも拉致問題の解決も3つだろう。武力による奪還、交渉(金)による買い戻し、見殺し、である。交渉による解決が最高とは思うが、あまりやると舐められる。冷酷というイメージを持たれるのも決して悪い事ばかりではない。

 

武力を背景にした交渉が今も必要である、というのをつい最近みたばかりである。21世紀になって変わったのは兵器であって、19世紀から国際社会の原理原則が変わったわけではない。肝心な事はそれでも昔よりもずっとマシな交渉手続きを世界中の国家が模索しながら確立してきた、という事だ。

 

ということは、新しい価値観を想像する余地がまだあるという話になる。北朝鮮は21世紀型の核による脅迫によって、アメリカとの対話を実現した。よく考えれば、こんなもの朝鮮戦争の残滓である。冷戦が終わったのに、なぜアジアの南北は統一できないのか。その原因が体制の維持にあるのか、それとも朝鮮戦争アメリカと中国の代理戦争でもあった点をもう一度確認しておくべきか。

 

問題は北側ではない。南側なのである。この半島で南だけが橋頭堡になっているのである。かつての任那と似たような状況か。それが問題の核心である。大陸側の視点はそんな所だろう。拉致問題核廃絶と絡めて解決しようとする日本に対して、北朝鮮はちょっと待てと牽制してきた。

 

この牽制の意味は何か。なぜこれが問題化するとまずいのか、どうすればこの問題を再び交渉できるのか。その条件は何か、金か、国交か、体制保持か、それとも、全員殺しちゃったからか?犯罪者でさえ、司法取引で免責を主張する。相手は国家である、最初に条件を決めなければ動けない事は幾らでもある。無条件降伏だって条件の合意が必要だったではないか。どれくらいの首でこちらが満足する気があるか、相手側はどれくらいなら仕方ないと考えるか。少なくとも金の首は取れない。当然である。

 

どちらにしろ、北朝鮮は日本が外交能力を鍛えるには調度いい練習相手である。特に国力が弱まった国家がどうやって外交能力で世界と対峙するかのいい見本である。そんな国家が向こうから、ほら今から組手をするぞ、かかってきなさいと言ってくれたわけである。これほどいい実戦訓練もあるまい。

 

必要なら札束で相手を屈服させる方法を学ぶ必要がある。必要なら恫喝をする交渉を学ぶ必要がある。必要なら握手して相手を理解する道を学ぶ必要がある。交渉に人間性は必要であるがヒューマニティは不要だ(Human nature is a necessary but Humanity's no need to negotiate)。