「裁判長、検察はアイスラッガーを銃刀法違反との主張ですが、これは彼の体の一部であります。
ボクサーのパンチが凶器と見做されるのは広く膾炙された判例であります。しかし、だからと言ってボクサーが拳を持っているという理由だけでは起訴はされないはずです。それは分離不可能です。まさか手を切り落とせと主張するわけにもいきますまい。
裁判長、考えて見て下さい。どこかに、刃物を体の一部として生まれた子供がいたとしましょう。それは体の一部です。それが理由に銃刀法違反に問いますか?
もし人間が進化してそういう形態になってしまったら?
弁護側として、本件の棄却を請求いたします。」
「裁判長、検察としては、ウルトラセブン被告のアイスラッガーは手術により手にいれたレッド族の伝説の技であります。よって、体の一部を改良、または手術等により武器化した場合、これは銃刀法に問うのは真っ当と考えます。
もし何からの事故によって義手が必要となった人が、マグマ星人のように、刀を手に埋め込めば、どうでしょう。これは銃刀法で問うべき事案でありましょう。
また、髪の毛がすべて刃物で出来ているカツラを被って街中を歩く人がいた場合、これも銃刀法に問うべき事案でありましょう。
武器化したものであれば、それは管理すべき責任がウルトラセブン被告には生じるのです。触れただけで何でも切り裂くようなものを頭に乗っけて歩き回るなど、許されるはずもありません。
検察からは以上です。」