矢口真里「世の中の女性はけっこう浮気している」

これ、関西ローカルやから、矢口も言えるんやと思う。もし、東京で同じような発現したら、あっという間に全国に飛び火してとてもじゃないけど、冗談では済まんくなるのは請け合いや。

つまり、関西にはこれくらいでも冗談で済ます文化の強さみたいなんがあるいうことや。逆に言えば、関西じゃこの程度でも本音としちゃ認められんっちゅことやな。

一方の東京では、やはり体面、世間体、面子が重視されるのだと思う。それを汚したり、汚すような真似は許されないし、だから反省していない素振りを見せるのが一番悪い。つまり東京は過ちよりも二度目を許さないんだと思う。

東京では本音がどうであれ、そこは深く聞かない。ひとそれぞれだから。それゆえに、何を思っても勝手だが、体面を汚す、他人に迷惑をかけるようなことを嫌うのではないか。そこには、みっともないとか、恥ずかしいという文化がある気がする。

一方の大阪は体面なんか軽く笑い飛ばす感じやな。ということはや、これが本音を言っとるように見えて、実は関西ではまだこの程度の発言じゃ本音とはいえん。これでも体面のうちに過ぎないちゅうことや。

東京であれ、大阪であれ、本音は何?と掘ってみれば、そりゃ、どちらも深い闇。

それに対して、お互いのスタンスの違いというものがある。その根本にあるのは、東京は異邦人の街だからお互いの本音は尊重する。故に、対人との間ではきちんと守ってほしい距離というものがある。何を思うのも勝手だが、行動する以上は、マナーや礼儀は守るべきという考え。つまりコミュニティにおける振る舞いを重視する。

一方の関西は、異邦人というよりも気心の街という感じがする。ゆえに、あんたが深い闇を抱えておってもかまいまへん、だけど、深い闇だけやったら気味が悪いやん。ゆえに、周りにおるものを笑わせてみてや。それだけうちらは気心が知れるちゅうもんや。

こんな小さい国にこれほどまでに違う風土や考え方がある。東京と大阪でさえ、そうだ。そういう違いがこの国にはたくさんある、という事は、すごいことじゃないか。それを経済ごときでつぶしちゃならんと思うんだ。