365日の紙飛行機 - 山本彩

いまのデザインは丸みが主流にある。車もそうだし、電車もそうだ。その理由のひとつは流体力学のせいである。高速時の空気抵抗を考えれば丸くなるのが自然なのだろう。マグロの流線形もそう言っている。

 

反例としてF1を見れば決して丸いってだけではない。丸みだけが全てではなさそうである。ジャンボ旅客機は丸みだけど、F-22F-35 は丸みだけではない。AKBの造形も同様である。

 

まゆゆだってこじはるだって丸々っとした部類の女子である。指原は崩しの理論がそこに加わっているが基本筋は丸だろう。もちろん、前田敦子のような少女鉄仮面伝説もいるが、だいたいが、にこにこ丸顔である。

 

ところが、365日の紙飛行機が素晴らしい山本彩である。 最初見たとき、彼女はスカイラインR30の生まれ変わりではないかと見違えた。全体的にカクカクである。ところが、それがとてもいい。丸みとは全く違う魅力が彼女にはある。

 

更に彼女の声量がとてもいい。朝ドラには全く興味がなくても、このオープニングは聞く。 そば屋の生姜焼きを食べながら聞いたテレビから流れてくる彼女の声量は、まるで野が震えるというか、地鳴りというか、奥底から吐き出した感があって、まるで金管楽器が震えるように、お腹が共鳴しているかの魅力がある。

 

これがとてもステキなのだ。丸み主流の時代が長く続いた。その間に飽きもあったが、空気抵抗に抗える価値観を提供できる人は一人もいなかったのである。どこもかも、猫も杓子も丸み丸み丸み流線形全盛だったのである。

 

そこに丸みに対するアンチテーゼとして、山本彩が登場した。その存在感。ひとつの流行が終らろうとしている。Windows10 がカクカクに戻したように、時代は新しいデザインを模索している。その先頭を山本彩が駆け抜けている。