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書き溜めの集積場

「私は多様性の象徴」民進党・蓮舫代表、二重国籍問題で18日に会見

thepage.jp

 

もちろん、この写真を選んでいる時点で THE PAGE の記者には悪意がある。さて、彼女の国籍に疑義を出している人は、日本という国家が国籍さえ確認せずに国政に立候補させると信じているのだろう。と考えるのは陰謀論の読みすぎか。

 

我が国の官僚がどの程度のレベルかは知らないが、舐めてもらっては困る、議論の途上にあるものに対してはひどく無能であったとしても、すでに決まったことについて、それを運用してゆく能力は、世界でも屈指のレベルにあるのである。勤勉、真面目という世界の評価は伊達ではない。

 

というわけで蓮舫国会議員になる資格はある。国政のお墨付きである。日本の行政府がそこまでお粗末なはずはない。だから、この話題が行政の問題であるはずがない。では、この問題の背景にあるものは何か。

 

もちろん、攘夷である。幕末いらい久しく聞かなかったが、いま平成の攘夷が始まろうとしている。ということはもうしばらくしたら天誅でござる、の復活である。今時の言葉でいうなら、テロリストである。

 

そういう観点で見れば、この国がどれだけ内向的であるか、どれだけ外の国との関係性から目を反らしてきたかが分かる。それがこの国の強みでもあった。

 

もし、徳川幕府鎖国をしなければ、わが国の歴史はどのように違っていただろうかと考えてみるのは決して無意味ではない。それは、あの時代に何が純粋培養されたかを知ることだからだ。国学による過去の探求、価値観の純化儒教的社会の理想を追求した政治、極めて安定的な持続性の高い経済の模索、これらはどれも素晴らしい結実である。

 

もちろん、我々はいつまでも無菌室の中にいることなど叶わなかった。世界は扉を強引にこじ開けたのである。我々の気概は、ただ、どれだけ国外の文化や歴史、科学と交わろうとも、我々の独自性が薄まったり消えたりはしない、というその一点に掛かっている。他と違う何かを欲している、これがこの邦の深層心理であろう。

 

だから、外国に住む日本人を訪ねる番組には根強い人気があるし、世界で使われている日本技術にも関心が高い。我々はこの国探しをしているといってもよい。南部陽一郎がアメリカ人であってのあのノーベル賞は日本人の誇りになったりするのである。

 

 

攘夷である。和魂洋才の心意気は何も変わっていない。外に出て行った日本人にはいつまでも日本人である。外から来た人はいつまでたっても外人である。これは別に意地悪であったり、人見知りの民族だからではない。

 

社会を成り立たすためには、どのようなコミュニティであれ、どうしてもどこかで人間同士の信頼関係が必要である。この信頼の持ち方が西洋と日本では違うというだけの話だ。人は疑えばきりがない。だから疑うのをどこかで打ち切るしかない。そのためには信頼が必要だ。

 

日本という社会は、日本という信頼関係の礎に、共通の日本文化を持っている。以心伝心がある。日本人ならここは分かり合えるはずであるという幻想の上にコミュニティは立脚する。だから空気を読む事が可能なのだ。

 

逆言えば、そうでない限りは際限なく疑う。何があってもいい準備をしながら疑い、そして、徐々に理解しあおうとする。それは明治の時代から少しも変わっていない。そのやり方が変わったとは思えない。どれだけ新しい考えが増えようと増改築を繰り返してきたのは建物であって、この社会を成立させている土台は何も変わっていない。

 

では室町時代はどうだったのか。室町文化を見ていると、日本人の美の極致だと感じる。だがその代表である金閣銀閣でさえ、あれだけ異質なものなのだ。あれほど相対するふたつの美があろうか。ところが、どちらも同じくらいに美しい。

 

つまり我々の多様性は異なるものを受け入れるだけではなく、どちらも成立させたままにするロバストネスが極めて強いと言えるだろう。金閣であれ銀閣であれ、どちらも極めて独自的に見える。もちろん、中国、韓国の文化を詳しく知らないので世界のどこかに類似するものがあっても驚きはしない。

 

蓮舫がここまで叩かれるのも不思議である。女性だから、生意気だから、何か彼女の中に異質の血をかぎ取っているのは確かだろう。もちろん、それは彼女の中にある外国人の血のせいではない。

 

あれくらい一風変わったひとなど、探せば腐るほどいる。ただ彼女は政治家として人によく知られるようになっただけだ。異質なものを排除しようとする力と、それを受け入れようとする力の拮抗というのは、細胞がミトコンドリアを取り込んで以来、40億年にわたる長き生物的課題のひとつである。

 

ま、人から嫌われるのも、大変な才能である。彼女はどうも好かれないキャラクターのようだ。とすれば彼女に足りないのはユーモアということになる。嫌われているが立派な政治家など腐るほどいる。どうか、彼女がチャーチルサッチャーみたいな素敵な政治家になりますように。