「大学で経済学んで」=グレタさんの主張一蹴―米財務長官

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恥知らずの周りに恥知らずが集まるのは世界共通らしい。17才の未成年にこういう言葉しか掛けられないなら、これは敗北宣言といって差し支えない。少なくともCO2排出量で世界の15%(中国は28%)のアメリカが何を言うかとブライトなら憤っているはずである。

 

しかし、温暖化問題については科学的には分からない、が真相であろう。どれだけ論じても結論はでない。どの論理にも一理はあるが、全体としてみれば説得力に欠けるように見える。つまりこれは未来予想の問題だから、誰も命までは賭けれないという話だ。

 

だが、CO2による温暖化をモデルとしたシミュレーションが現実の気温変動と最も近く一致している事実から少なくとも温暖化モデルはとても有力に見える。実際に、異常気象と呼ばれるこれまでとは異なる、つまり1~2世代が経験したことのない気象現象が発生している。

 

温暖化の原因は温室効果(水蒸気50%、CO2が20%)だけではない。

 

太陽システムでの温度は基本的に太陽活動にあり、地球でもこれが最も影響を与える。太陽は基本ておして14年おきの活動周期をしている。だから、地球の寒暖は周期的である。この周期が乱れれば、簡単に氷河期に突入する。

 

17世紀のマウンダー極小期は観測される中でも最も著名な現象で、そういう研究ができるのは、当時の天文学者太陽黒点を記録していたからである。また千年以上の木の年輪から当時の気候を推定する事もできる。

 

グリーンランドが14世紀までは緑の島であったことは当時の地球は現在よりも温暖化していた証拠ともいえる。では現在の温暖化を危険視しなければならないのは何故か。

 

研究を重ねて気候変動と相関関係がある何かを発見する。又は、物理学的知見から要因を推測する。それで未来を予測する。

 

なぜ気候変動がこれほどの関心を集めるのか。それはこの変化が生命大絶滅の主因になる可能性があるからだろう。多くの絶滅の原因は寒冷化にある。その原因に雲がある(日傘効果)。その雲は隕石の衝突、大規模な火山噴火、スーパープルームなどが粉塵を巻き上げる事で厚くなる。

 

これらの変化は、負のスパイラルに入り込む事が危惧される。もし一過性であればそう重く考える必要はない。しかし、地球時間の一過性は簡単に数万年オーダーになるので、人類が絶滅するには十分な時間である。

 

温室効果はどちらかと言えば新しい概念だろう。CO2の濃度は、太古にも高かった事がある。それでも生物は乗り越えてきたのだから今回も大丈夫というのはおよそ根拠に乏しい。

 

太陽活動、宇宙線の到来、大気、海洋の溶存率、大陸の配置、海流、偏西風など地球の熱交換システムなど、安定のスタビリティ(stability)、レジリエンス(resilience)、ロバストネス(robustness)、ホメオスタシス(homeostasis)、コンスタンシー(constancy)への検証が足りない。

 

気候変動はきっと複雑系を含むはずだから、わずかな差が長い間にどのように影響するかには短絡に判断するべきではない。

 

温室効果の原因はCO2だけではなく、メタンも挙げられる。量的にはまだ低いようだが、温室効果はCO2よりも高い。大気中の寿命は12年。メタンの発生元は稲作や畜産。天然ガス開発はこれから活発化するだろう。日本のメタンハイドレート開発にも注意は必要だ。

 

日本の排出量は3.5%であるが、これがドイツ(2.3)、イギリス(1.1%)、フランス(0.9%)と比べても高い。その主要因が原子力発電の停止にあるとは思うが、2010年で2.8%だった。原子力だけで解決するとまでは言えない。

 

排出量に関しては絶対的な量と、増加率のふたつで見る必要がある。先進国は押しなべて上昇率は低い。これは産業がほぼ固定化して新規開拓が少ない事、そして既に対策済みという実情がある。後進国が増加するのは未対応のまま新規開発しそのまま上乗せされるからだろう。また人口比でみれば、人口が多いほど経済活動も大きくなり、それと比例して増加するのも自然であろう。

 

一般的にバランスが崩れてもフィードバックが働く事で元に戻ろうとする。それが超えた場合は、一方的に進む事になる。それは別の要因が介入しない限り増え続ける、または減り続ける。地球では太陽エネルギーのインアウトの収支が全てである。これを大原則として、バランスを小さくしか崩れていないとしても長い時間を蓄積すればその影響は大きくなろう。

 

温暖化の原因が一つに決まるはずもない。それは複合し複雑なはずだ。だから、その内で、人間に制御できるもの、最も効果があるものに優先して対応するのが当然の考えである。それがCO2であるとされている。

 

この正解は10年後みたいな部分があり、かつ真実を知った時には手遅れかも知れないという疑念もあるから、疑わしきは対応せずはありえず、何らかの対処が必要と考えるのは当然と思える。しかし、中国やアメリカのように発展と対応のトレードオフで鈍る国が出るのも別に不思議ではない。

 

10年後の滅亡よりも今日の政権運営、選挙での勝利は、老人には当然の帰結である。だから若い人たちが敏感になっているのだ。問題が明確になる頃にはお前たちは土塊に戻っている、これが若い世代の言い分である。だから温暖化の問題を若い人たちの現実と理解できない人は沈黙しておく方がいい。

 

温暖化は科学の議論としては決定的とは言えない。まだ幾らでも反論の余地が残っている。刑事事件なら明らかな状況証拠しかない状況である。最近の異常気象、シミュレーションの一致、平均気温の上昇、などは、明らかに何かが起きている事を示唆している。

 

それがCo2対策だけで十分であるかどうかは知らない。本当の原因は違うかも知れない。だが、温暖化を想定して動き始めておく事には十分な意味がある。

 

これまで氷河、凍土のあった地域に農耕地に変わる。これまで農耕地であった地域は砂漠化してゆく。雨の降り方が変われば、地下水の流れも変わる。海岸線は退行したり沈む場所もある。熱帯性の病気はより広い地域に蔓延してゆく。

 

地域の農業が激変すれば、貿易にも影響する。気温が高くなる事は農業には有利だが、水不足の要因でもあろう。そうなれば地域で紛争が勃発し、経済のみならず地政学さえ変える。新しい難民が生み出されるだろう。

 

何回かの気候変動の後、生命居住可能性を超える温暖化を迎えるかもしれない。地球が金星のようにしてしまう可能性さえある。これもテラフォーミングの一種だと考えれば人類種はなかなかの大事業を星に残した事になる。

 

地球の生物はRNA,DNAを利用するように進化してきた。最初の生命はもっとバリエーションを以って、それ以外の材質を使っていたかも知れない。そのバラエティの中でRNAだけが残った。その事実だけでは、最初からそれしかなかったのか、それともそれしかなかったのかは言えない。G-C, U-Aという化合物を使用した生命だけが残った。当然、その材料は環境上に溢れていたはずだ。

 

もちろん最初は別の素材で構成され、G-C,U-Aという形を作るようになった。一度、その仕組みを取り込めば、元の素材は不要になった。つまり最初のC言語コンパイラC言語以外で書かれていたという話である。

 

他の素材を利用した生物種はいたと思うが、何故か RNA ベースの生物しか残らなかった。どのような素材があったか。それらが淘汰された理由は何か。はたまた、それ以外の素材はなかったか。もし、地球環境では GCUA 以外の選択肢がなかったとしたら恐らく地球外生命体も同じDNAという機構を持っている可能性が高い。

 

そうでない可能性もあるなら、RNA,DNAとは全く違う遺伝子を獲得した生命がいても不思議はない。地球以外の生命がどのような仕組みを持っているか。それを知るためにも温暖化で絶滅はしたくないわけである。