少年法の適用年齢「18歳未満」引き下げ、日弁連が反対する根拠は?

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少年法の骨子が更生にあることは疑いがなく、そのために過剰に不利益とならないよう考慮する。これは未成年を発達途上と見做し、故に間違いは多いはずという予測からの対処である。つまり若気の至りはなるべく大目に見ようである。

 

もちろん、刑務所だって更生施設としての機能は担っている。犯罪要件に社会的要因があるなら、それに立ち向かえるだけの教育や技能を身に付けるのが望ましい。

 

すべてこれらの考えの根底には人間の未来は誰にも分からないという考えがある。未来の可能性と呼ぶべきものか。

 

更生した人が社会にとってどれだけ有益か分からない、という考えは負の乗算を施せば、あっと言う間に相模原障害者施設殺傷事件に辿り着くわけで、目先の利益を理由にするのは筋が悪い。

 

しかし、更生できるならした方が良いし、それが社会的利益にも適っている。この世界には償える罪は幾らでもある。芸人が好んでする「これを恩と感じるなら別の人に返して」という物語だって、その根底にあるのは、人に何かを施しても大抵は返ってこないという達観だろう。それでもせずにはおられない自分の照れくささを隠す言葉として。

 

更生の物語にジャンバルジャンがある。たった一枚のパンのために不遇な運命と向き合わなければならなかった男の物語である。菊池寛著、恩讐の彼方も更生がテーマであるトンネル王の物語である。

 

しかし更生とは何だ。若い時はやんちゃをしていました、と大人が言うのはみっともない。特に威張って言う話ではないし、気を許した飲みでの馬鹿話なら別だが、自分から言うような話しでもない。不快な犯罪自慢なぞ周囲の人からしたらドン引きであろう。奥ゆかしさがいるのである。それを自ら進んで言うとしたら、そりゃ何か裏があると思う。

 

こういう事例は芸能人で良く見るが、お前、本当に責任とってからテレビの前に出てきたのか、当時の被害者、全員から許しを取ったのか、と思わないでもない。そういうタレントは3割は引いてみてしまう。

 

更生は当時の犯罪を許す理由にはならない。ただ、被害者は別にして、それ以外の人からすれば、特に許す必要もないが、社会から隔離、追放までする必要はないという許容となろう。

 

潤沢に資源があるなら機械の部品のようにさっさと廃棄処分にしてもいいはずである。それをしないのは、やはり未来だけはどう転ぶか分からないというこの一点に根拠を据える。

 

それでも例え未来を閉ざす事になろうと、それが例え全人類にとっての不利益となろうと許さざる犯罪がある。コンクリート事件やリンチ事件など、到底許容できない犯罪が数年にひとつやふたつは発生する。其れに対して今の刑法は脆弱だ。

 

更生する可能性と、しかし、本当に更生したなら自分のしたことを許せなくて自殺するはずだという当然の論理的帰結から選択肢はひとつしかないのである。少年法がその障壁となる事は許されない。

 

  • ひとつ、重犯罪(殺人、致死、重い障害、暴行、窃盗、放火、人身売買、誘拐など)は無条件で少年法の適用を除外する事。一切の例外を設けない事。
  • ひとつ、再犯以降は少年法を適用しない犯罪要件を拡大する事。
  • ひとつ、例え未成年であっても死刑の適用を行う事。

 

このみっつで少年法の議論は十分だと思う。

 

選挙権が引き下げられたのだから、それに伴って少年法が引き下げられるのは当然とも思えるし、大学を卒業するまでという考えもあれば、成人式という考えもある。いずれにしろ、年齢は重要なファクターではないと思うのである。いっそ年齢の引き下げに反対するくらいなら、全刑務所を少年院モデルで運用すればいいのではないか。予算額は計算していないが。

 

ま、個人的には暴走族は猟銃で駆除する法律を作って欲しい。さあ人間狩りに行こうぜ!(機械伯爵のご子息かよ)。ちなみに、ヨーロッパ人はこれを本気でやった。