二重マスク、効果限定的=1枚でも正しく装着を―スパコン「富岳」で計算・理研など

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隙間が空いてるとそこから飛沫が飛散する、またはそこから吸引する。それくらいは、こんなのに一千億の費用を投入しなくても分かる。

 

密着させた上にウレタンマスクをしたらどれくらい違うか、これを数値化しろと言われても困るが、大体同じか二枚重ねの方が効果は高いだろうくらいは言える。

 

二枚重ねの方が効果が薄いとか、隙間がある方が実は安全性が高いなら吃驚である。さすがスーパーコンピュータの計算力と思わないでもないが、もっと安価な実験装置で研究する学者がこの国にはいないのかという懸念の方が余程の問題だと思う。

 

いずれにしろ数値を出した価値は認めるが、結論はとても平凡で、そんな事はプログラムを書いた人も動かした人もそりゃそうだろうくらいには思っていただろう。それでも計算させる価値は、もしかしたら、全く予想していない結果が出るかもしれないから。

 

もしそうなったそれを決定する因子は何か、こっからが面白くなるぞ、という話である。当たり前の結論が出た以上、面白くともなんともないのは当然である。

 

もしスーパーコンピュータに存在価値があるのなら、それは予想外の結果を見つける機会が莫大に増加した点にあるだろう。

 

人間が実験するのでは国内を総動員してもせいぜい月数千どまりだ。所が富岳ならプログラムさえ書けば(何個書けるかは知れない)、一日数千万の結果は得られるだろう(一日の処理能力がどれくらいかは知らない)。それだけのシミュレーションをして全てが予想通りの結論とは思えない。

 

つまり、新しい研究課題が見つかったという訳で、富岳の排泄物を食らって研究者は一人前になる、みたいな話である。

 

マスクをする方が効果がある、一枚をきちんとつければ十分である、二枚にしても効果は失われないからあとはお好きに、それくらいはスーパーコンピュータに言われるまでもなく人間の脳だって同じ結論を得る。

 

不織布のマスクを口にあてて回りを指で覆って口呼吸してみれば分かるが、この布はかなり空気を通す。吸う方が楽にできるのは、繊維に方向があるのか、単に吸う方が力が強いからかは知らない。勘違いかも知れない。吐く方も十分に布を通して温かい呼気が出ている感がある。

 

思った以上に不織布には空気を通す能力があって、鼻呼吸で息苦しいと感じたら口呼吸に変えると楽になる。これは口呼吸の方が力が強いからだと思うが、当然、ウイルスが吸気にに含まれていたら奥深くまで吸い込むのと同義になるので危険かも知れない。

 

鼻はもともと異物を体内に入れない仕組みが備わっている。それは鼻毛に当たるからではなく、鼻毛で気流の流れを制御するからである(筈である)。もうひとつは強く吸い込まないようにしているからである(筈である)。

 

このメリットを捨ててまで口で呼吸する必要性があるかどうかは知らないが、マスクが外に出る飛沫を防止する事を第一義にしている事と、吐く方が通しにくいように思える事の間は関連性があると思う、けど単なる偶然かも知れない、プラシーボ効果(思い込み)の可能性も高い。

 

これらを確かめるには、メーカーに問い合わせたり、実験して数値化する必要がある。この実験をする大前提として必要なのがモデル化であり、モデルを作成するとは個々のパラメータに具体的な数値を割り当てる事と同義である。

 

当たり前で下らないではなく、富岳が見つけた沢山の当たり前でない中にきっと明日に繋がるものが潜んでいるはずだし、それをもっと宣伝して欲しい。それを一部の研究者だけが独占して楽しむのはずるい。論文を発表するまでは仕方ないが。