ケンカ漫画とはいえ、全部が小物、それか異端。
個人的見解だが、正々堂々としたケンカの王道はやっぱり本宮ひろしせんせ。
男一匹ガキ大将をおいておや、学ラン、ケンカは語れない。
ケンカの途中で、陸橋(高さ推定30mくらい)が崩れるってんで、10段組体操もまっさおな人間鉄橋を作り、ブレーキの故障した汽車を通す痛快っぷり。いや、あれは頭がまだ成長しきっていない中学生くらいの時期に読んでおくほうがいい。
おばばというキャラもいい味だしてる。株か何かに殴り込みをかけるんだっけかな。
ある点で、本宮ひろしはステレオタイプの権化みたいな漫画家で、気持ちのいい場面を主役を変え状況を変え、なんどもなんども再演して見せる所があって、その痛快さがたまらないわけだ。
どの作品も、装飾をそぎ落としてしまえばみんないっしょ。そのテンプレートを眺めれば、どういったパターンに面白みを感じるのか、その根底にあるのは自分のどういう心理であるか、奥底の願望に触れざるをえない。
万作から始まって、銀ちゃんも俺の空もサラリーマンもさわやか万太郎もぜんぶいっしょ。
大飢饉、まだ、生きてる…はちょっと毛色が違う。
で、wikipediaで作品リストをつらつら眺めていると、そうか、万年雪のみえる家もあったか。作品どうこうはおいておいて、このタイトルはいい。タイトルだけでもう詩みたいだもの。