14歳のプロ棋士誕生へ 愛知の藤井三段、史上最年少で

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この人が名人になる頃には、将棋はおろか囲碁でさえ、AIには決して勝てないという状況になっているだろう。オリンピックのあらゆる記録はパラリンピックの記録よりも下にあるだろう。

 

テクノロジーが人間の力を凌駕したのは21世紀の専売特許ではない。武士の刀はエミー銃の前に滅んだ。騎士道は、機関銃の出現により廃れた。科学は、神話や寓話を迷信の世界に追いやった。

 

それでも今でも人はかけっこに興じマラソンに歓声を送る。人がやっているというただそれだけが感動を生む。

 

我々は勝利を見たいのでも、完璧な戦いを演じたいのでもない。シューマッハの強さが精密機械に例えられたように、人間が機械であろうと努めたのが20世紀であった。

 

そして、精密機械のような人間では本物の精密機械の敵ではないと明確になった21世紀である。無人のF1が昨年の優勝者をぶっちぎるのは時間の問題である。

 

そうなった時、これらの競技はどうなってゆくのか。ここに問題の全てが集約すると思うのである。

 

ガンダムが今も根強い人気であるが、あと暫くすれば人が乗っている戦闘ロボなど古いという時代がくる。空軍の主力が無人機になる時代はあと少しである。そのような時代に生まれた子供たちには、マジンガーZに乗り込むロマンは共有できないだろう。

 

AIよりも弱いプロ棋士の戦いに何を求めるのか。

 

しかし、人間は未だに誰が一番強いかという話に盛り上がる。プロレスラーが最強であると、リングに上がっては返り討ちにされていた時代は今も変わらずにある。

 

当然だが、たかが格闘技だから、強さから言えば下の下の上であって、そりゃ今の所、アメリカ軍が一番強いに決まっている。でもそんな話を格闘談義で話しても、だれも見向いてくれない。

 

原チャリがあれば、マラソンの金メダルリストよりも1時間以上早くゴールできるが誰も褒めてくれないのと同じである。

 

世知辛い世の中である。