著名人ツイッター乗っ取り相次ぐ=バイデン氏やマスク氏も被害

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GAFAM などの Big Tech がその気になれば、財力的にも技術的にも、ちょっとした国など簡単に潰せるはずである。インターネットという環境でこれらの企業が担う役割というものは、既に社会インフラを超え、謂わば自然環境と呼ぶべき段階と思われる。

 

よって、その世界で起きる犯罪行為は、この世界の破壊に等しく、謂わば、核兵器で地上を破壊する行為に等しい。生物的絶滅を厭わないこの行動をどう評価すればいいか。ある意味、テロリストは、ここ以外のどこかに理想郷を持つから可能なのであって、それが脳内にある幻想でも構わない所が、厳しい現実なのである。

 

いずれにせよ、インターネット上のこれら犯罪行為は、そのまま企業の存続を左右しかねない。それは犯罪というより世界への挑戦である。

 

そういう行為に対して、これらの企業が動かないのは、それが利益にならないからか、それとも巨人が少し動くだけでも多くの虫を潰すかも知れないと躊躇しているからか。その気になれば犯罪者をこの世界から完全に消し去る事さえ可能な企業群なのにである。

 

一度、その力に気付けば、これらの企業がどのような振る舞いを見せるかは誰にも予想できない。そこに恐ろしさがある。それは経済的力を持った中国が危機的状況に陥れば外部に対して好戦的な振る舞いをするのに似ないか。

 

しかし、全く違うとも言える。企業は企業である故に、自らの存続を最大の存在理由にしていない。これらの大企業のうち50年後も残っていると考えている企業はないだろう。残っていればいいなくらいのものだろう。これらの企業はそういう事をよく知っている。

 

技術革新の中で生きている企業は、技術的に遅れたり、市場ニーズを満たさなくなれば、存在価値を失う。無理をした所で生き残れないし、最適化できなければ否応なく退場する、そういう世界で活動している事を良く自覚している。

 

その源泉は技術に対する絶対的な信頼だと思う。仮にAIがこの世界を潰すとしても、その理由に技術的原因がなければならない。そう考えているはずである。結局、インターネットの信頼性は、犯罪に対する抑止力と実行力が担保となるだろうし、その為には、これらの犯罪者をリアルに見つけ出し、それなりの処罰を必要とするだろう。

 

しかしそれは人間の力を超えているかも知れない。そうするとインターネット上をAIのエージェントオブジェクトが動き回る仕組みが要求される。それはちょうど免疫細胞のようなものだ。

 

これらの細胞は、自らの活動を嗜好的に行っているに過ぎない。彼らにとって人間の体は、世界であって、決して、その世界の環境を向上するために存在しているのではない。少なくともそのような意識は持たない。

 

自らの嗜好にあった行動をする。それで自分が世界を支えているなど夢にも思わない。そういう存在が集まってひとつの生命を維持している。これが分散システムの醍醐味であろう。これは神の見えざる手でもある。そういうダイナミックな平衡状態が合目的にではなく実現され維持されるシステム。

 

Internet はどのような世界となり得るか。