中国公船、尖閣沖侵入が常態化=98日連続、最長記録更新中

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中国の外交戦略が大きく変わったのは2020パンデミックが原因と考えられるが、これらの動きは従来から計画していたものである。なぜ今になって前倒しで実行してきたのか。その第一弾が香港の国家安全保障法である。本来は2047年までゆっくりとやれば良かったはずである。

 

一帯一路戦略も、経済的軍事的にインドを包囲する戦略である。それほどインドの人口に対して危機感を持っている。もっともインドがヒンドゥー教である限り、そう巨大な脅威になるとは思えない。そうでなくともアッサム州でのイスラム教との対立で忙しい。その間隙を突いたのであろうか、国境の実力行使に打って出た。

 

南シナ海への進出も激しく、今は台湾に手を出したくて仕方がないはずである。その為には、アメリカが参戦するかどうかの見極めである。トランプが参戦しないと踏んだら11月までに実力行使に出るだろう。

 

中国のやり方は、いつも宣言する所から始まる。ここは我々の領土である、それ以降は、それを既成事実として話を進める。これは典型的な官僚の方法論であるが、これを国際関係でも押し通そうとしている。

 

オーストラリアは既に中国への警戒心はマックスである。恐らく警戒解除はない。オーストラリアのニュースを見れば、インドネシアやマレーシアなどのニュースが多い事に気付く。それらの国々がオーストラリアの防衛ラインとして重要である証拠であろう。この基本戦略は、恐らく大日本帝国海軍が刷り込んだものである。

 

中国は国外であっても他国の人間であっても香港を独立させる動きは許さないと宣言する。これはよく考えれば当然の事で、どの国であってもそりゃ許さない。EUであれ日本であれ、アメリカであれ、自国への侵略を計画する者、国家、集団は、国の内外を問わず、何処で計画しようが必ず叩きのめすのである。

 

では、中国への警戒感の正体は何か。恐らく頂く理想が、中国共産党を頂点とする階層社会である点ではないか。習近平を頂点とする中国共産党を永続するためのシステムではないか。そこに人類の理念も理想もない。

 

近代国家の成立はアメリカ合衆国憲法の成立から始まった。そしてその憲法が雄々しくも歌いあげるのは、自由と平等という理想である。民主主義というシステムへの信念である。中国にこれはない。というか、アメリカ以前の歴史でもない。アレクサンダー大王の戦争にもそのような理念はなかったはずである。

 

つまり国家の成立が、ヨーロッパ型の理念に基づいたものではない、という出自の異色さは、しかし、ではヨーロッパは理想通りの国なのか、アメリカは本当に信頼に足る国なのか、と言えば、そうきれいごとのはずもない。色の黒さなら、どこも大して変わらないのである。みんな真っ黒に違い灰色である。

 

中国が戦争に訴えるかどうかは、勝てるかどうかによる。負けたら習近平と言えども決して安泰ではない。犯罪者として投獄される可能性さえある。下手をしたら共産党が潰れる可能性さえある。例えば、中国の空母が撃沈される映像が流れたら、中国の人たちは愛国心に溢れて、更に戦おうとするだろう。

 

彼らはあのイギリス相手に刀剣だけでも立ち向かった勇者たちの末裔である。強力な日本陸軍に対して貧弱な装備の軍隊で戦術と政略だけで戦い抜いた歴史がある。決してやられっぱなしで終わるはずがない。

 

ではどういう時に中国は倒れるのか。彼らの中国への愛国は本物だが、恐らく、それは政体への愛着ではないだろう。

 

では、今の動きは、何が原因か。政体が脆弱になりつつある、とするのが普通の読み筋だろう。習近平が国内に対する締め付けができない代わりに、海外へ目を向けさせようとしていると考えるのが妥当だろう。それくらいなら新聞しか読まない素人でも読める。

 

国際状況は、アメリカ大統領選の帰趨、パンデミックによる弱体化、そして、今後来るはずのパンデミックの第n波の被害、水害、蝗害に起因する食糧不足、そして、経済的な縮小傾向、アメリカとの経済対立、イギリスはアメリカ側に傾いた。

 

恐らく中国に親しいはずのEUさえ怪訝な感じである。アフリカでさえ中国とどう向き合うか分からない。下手をしたら嫌悪を感じ始めていてもおかしくない。少なくとも、世界中が、中国と取引する事に警戒感を表明し始めている。世界中にそういう空気が流れ始めている。

 

不思議なのはなぜ中国はそれを警戒しないかという事だ。決してうまいやり方とは思えない。アメリカでさえ略奪する場合はそれなりの手順を踏んでやっていた。そのおかげで、今でもアメリカを毛嫌いする国が世界にはある。中国も同じ轍を踏むのか。

 

中国が台湾に軍事侵攻したら少なくとも日本はアメリカ側に立って軍事行動を起こす覚悟は必要だろう。もしアメリカが手を引いたら?その時こそ、日本は本気で考えなければならない。この問題はそういう話だ。