韓国 GSOMIA破棄を決定

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当たり前だが、韓国国内が一枚岩でないのは明らかであり、国防相が延長を求めるも最終的な決断は大統領が行った。かつ、その理由は、韓国の世論に強く後押しされたと理解される。

 

それが本当かどうかは知らない。だが、この決断は内政の延長であり、この決断が国益に沿うものか、それとも、市民への迎合に過ぎぬのか、どうも怪しい。

 

なぜこんな決断をしたのか、なぜこんな風に決断するのか。ニュースではこのような不毛な対立は早く辞めて欲しいという両国民の声も聞く。だが、鎮火するそぶりはない。少なくとも、韓国国内での世論調査でおよそ半数が継続に反対している。その流れに押されたとしてもむべなるか。

 

韓国の政治事情は知らないが、大統領退任後に韓国特有の政治的状況がある。そして反日だけが最後の保証になるのは、李明博の時もそうだったし、親日を通そうとした朴槿恵の例からも明らかである。

 

かつ、日本外交は、積極的に親日派の人をサポートしてこなかった。逮捕されても反論も強い批判もしてこなかった。それが最終的には、彼らを害する事になるという考えがあったのは明らかだが、どうやって韓国で親日を語る事が不利益とならないかについて、研究してきた形跡はない。だから、今回の大統領も最終的には収監される可能性が高い。

 

政治家のオプションは少ない。この状況は韓国併合の遠因と同じと思われる。だから反日を紐解くには、戦前まで戻らなければならない。それは最終的には閔妃に行き着くと思う。恐らく彼女が全てを背負っていた。

 

それは、従来のアジア的理想と、西洋的改革の間で揺れ動いた権力闘争である。彼女が金玉均を排除した時、そこで彼女は孤立無援となった。これは逆説的に聞こえるかも知れないが、最終的に、彼女たちは自分の意志で何かを選ぶ前に、時代に押し流され、国際社会の中で翻弄されざる得なかった。自ら国家の西洋化をする時間も持てなかった。

 

恐らく、ここに現在の韓国の雛形があって、それは、とても長い時代、100年近く続いている。彼らはその事に無自覚なように見える。

 

アメリカの説得さえ無視して決断した流れに違和感を覚える。これは韓国の国際的な立場というより、極めて内政的な決断にしか見えない。そして外交という点では、北朝鮮との和解が進まない状況が、このような手段を取らさせた原因だろう。

 

外交的得点が足りない。足りない以上、他の手段に訴えるしかない。それが反日である。この動きにはアメリカも疑念も持つだろう。韓国は中国を選ぼうとしているのではないか。

 

勝ち馬に乗ろうとするのは決して悪い事ではない。こうも早くアメリカを見切り、中国を選んだのだとしたら、その慧眼には驚愕するしかない。その可能性はある。だが、まだ決定するには早い。日本だってそう思っている。

 

香港、台湾の状況を見る限り、中国大陸の政治体制は、自由主義の陣営としてはとても承服できるようなものではない。すると、本当にそんな戦略を取ったのか、それとも、ロシアのように巧みな力学の上でバランス良く動き続けようとしているのか。

 

こんな条約など、その気になればすぐにでも結びなおせる。だから、ここで破棄した所でそんな強い意志はない。少なくともアメリカを中心としたアジアの力学から抜け出すのなら、こんなの誤差の部類だ。だが、北朝鮮に屈服する気がないなら、中国以外の後ろ盾が絶対に必要である。

 

何もかも大統領の任期終わりに起きる内政的動向は、「その後」を見据えた決断だろう。極めて不安定である理由は彼らの中にある、と考えた時、実は北朝鮮と韓国は、とても似た政治状況にあるのではないか、という気がする。

 

つまり、政治的正当性を考えた時、王権から民主主義に移行するのには、何か必要な手順、手続きがある。王政を倒すにしろ、自らの元首にするにしろ、それを自らの手で行う必要がある。その機会を失った国家は、民主主義に至るためには、別の何かが必要なのではないか。その方法を知る国家は地球上にまだなさそうである。

 

アフリカ諸国の政治的混乱も同様ではないか?民主主義は実は王政の上にしか咲かない花ではないか?