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「もうお金がありません、ここに基金のお金があります、これをみなさんに配ったらもう何も残りません、すっからかんです。これからは皆さん、各自でなんとかして下さい、もうこれ以上は国としても何にも出来ないのです。」
202x年、国家財政が遂に破綻し、あらゆる福祉は廃止、縮小される。残された最後のセーフティネットは刑務所だけになってしまう。その刑務所さえ維持不可能な状況に陥る。
「そのような危機だけは回避せねばなりません、小さな手でもまだ打てるのと、完全に打つ手なしでは全く状況が異なりますから。」と財務官僚、厚労官僚から強く詰め寄られる大臣。
「ええ、分かりました、これはなんらかの政治的な手を打たないといけない状況という事ですね。では彼女たちを呼んで頂戴。」
（密室にて）
「これをあなたたちで仕掛けて欲しいの、社会悪を打つという構図だからあなたたちの株も上がるはずよ。次の選挙で有利になる事であなたたちの損にもならないはずよ。」
「えぇ、やりますけど。。。この芸人をスケープゴートにするのは少し気の毒だわ。」
「それでもやってください、私達が甘い顔をしていると国家が破綻します、ええ気の毒ですけどね、テレビで見てますけどね、彼なら立ち直れると思います。」
「わたしたちの党としては嬉しい限りですけど、そちらの党はいいのですか？」
「わたしたちの党の事は心配して頂かなくても大丈夫、兎に角そちらで宜しくお願い致しますわね。」
テレビ、ニュース、ネット、ツイッター ＜＜わーわーわー＞＞
「さぁこれであなたたちの願い通りになったわね、予算縮小でも何んでもして頂戴。でも、生活保護が本当に必要な人をどのようにして見分けるの？全ての人を切り捨てるなんて許される事ではないのよ。」
「はい、大臣、そこはぬかりなく。社会党、公明党と共産党、これら地域に密着して活動している政党の方を中心にセーフティネットをやってもらおうと考えています。」
「これで選挙でも全ての党に気持ち良く票が割れることになるでしょう。すると日本は暫くは連立政権が続くので、あなたたち官僚の発言力も増すというシナリオね。」
「いえいえ、大臣、何をおっしゃりますやら、私達はあくまで法に従って行政を担当させていただいている訳ですから、大臣の意のままに動かせていただいております。」
「しかし民主党は次の選挙で負ける事になるのよね。」
「いえいえ、大臣、ちゃんと選挙前には、株が上がるように世論誘導を仕掛けますから。」
「あら、あなたは総務省の方ね、では宜しく頼むわね、これであなたたちが望んだ通りに予算は縮小できるのですから。」
「大臣、縮小ではありません、それは言葉が悪すぎるというものです。大臣、効果的に効率よく使うんです。」
「そう、何でもいいわ、言い方を変えた所でお金が増えるわけじゃあるまいし。とにかく困る人が増えない様にお願いするわよ。私を傀儡として使う以上はちゃんと結果で見せてください。」
