「歴史的ランディング」 ロケットの垂直着陸に成功 ベゾス氏の宇宙企業

www.itmedia.co.jp

 

最期に垂直に着陸するという事は、その時に必要な燃料を残しておくという事だ。

 

航空機でさえ着陸する時には燃料を空っぽにしたいのが道理。何かあったら引火するわけで、そんな危険物はできるだけ捨てておきたいはずだ。

 

特に宇宙に行くには莫大なエネルギーが必要で1gでも軽くしておくのがコストを減らす。そこで垂直に着陸する為だけに莫大な燃料を搭載しっぱなしにする。

 

もちろん実験はいい。ただ実現性を語るならばメリットとして『打ち上げロケットの回収・再利用』 では弱いように感じる。

 

航空機でさえ、長い滑走路で着陸しているわけだ。なぜロケットが垂直か。もちろん、スペースシャトルから得られた知見なのであろう。翼という重しよりも垂直着陸に使う燃料の方が軽い。

 

スペースシャトルをグライダーにしたのは燃料がやっかいな性質のものだからだろう。燃えるべき時には燃えて、燃えて欲しくない時には燃えない。かつ、大気圏突入した時の熱からも守らないといけない。

 

すると失敗だったのは、本体とロケットを分離しなかった事か。ロケットは大気圏に再突入する必要がないから回収できる、大気圏突入する部分はこんがり燃えるので使い捨てにする。

 

重さは重要で、重力とは重さの事だから。スペースシャトルでも翼の重さがまったくもって宇宙空間では質量として役立たずで、大気圏突入時には熱から守らなければならず、保守が大変だったのだろう。

 

何度も使えるといっても、その整備にかかるコストが新しく作った方が安いとなれば、意味がない。そして今の技術ではどうも製造コストの方が安い。またはあまり変わらない。使い捨てで設計する事と耐久性のあるものを設計する事は、あまりに難易度が違うのだろう。

 

F1マシンだって一回こっきりだからあれで済んでいるけど、一年に一台のみとかのレギュレーションが組まれたら、そりゃ無理だろう。

 

もちろん、だからと言ってスペースシャトルが屑だとか、垂直着陸するロケットには意味がないと言いたいのではない。そのいずれもが、僕たちの知るSFにより近づくための確実な一歩であるし、そこには使い捨てのロケットの何倍もの夢がある。わくわくする。

 

100年後の夢に向かう事、だから今日、明日に試行錯誤を繰り返す事、仮に実現性に難ありとなっても構いはしない。宇宙に関するものは下世話な話とリンクする必要など何もない。そういう視点で語る必要性さえない。そう思った。