三菱航空機MRJ初納入1年延期 機体の強度向上図るため

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ここでの一年延期は結構な時間だと思うのだけど、なぜなんだろうか。

 

その理由をはっきりとオープンにする事が市場の信頼を勝ち取る、殆ど唯一の手段だと思うのだけれど。しかも、それをお客さんに対して営業が説明するのではなく、報道を通して世界中に広報する姿勢が重要だと思う。

 

とここで考えてみる。この前の初飛行を見れば、今更設計上の致命的な欠陥が見つかるは考えにくい。いま見つかった致命的設計的トラブルは、一年でリカバリできるとは思えない。ラインハルトのいう所の逐次導入の愚というやつだ。

 

もちろん、787のように市場投入後にも結構なトラブルが発覚することはあるし、その対策で印象が悪くなる事もある。それでも販売停止に至らせていないのだから、飛ぶ能力そのものが問題という訳ではないだろう。

 

するとMRJも飛行そのものに問題があるとは思われない。すると『運航に必要な型式証明を国土交通省から取得するには時間が足りない』とある。

 

これの意味がよく分からない。飛行時間が足りないのなら、アメリカでもオーストラリアでもヨーロッパでも田舎町の小さな飛行場でも借りて、毎日飛ばせば必要なデータは入手できるはずである。一年遅延する事のビジネス的問題を考えれば、片田舎の飛行場を借り切った所で全然安かろう。

 

もし、そうでないのなら。もし国土交通省が求めるものが、そうではなく、例えば、飛ぶのは日本の領空でなければならないだとか、飛ぶのは指定されたルートでなければならないとか、指定された天候でなければならないとか、そういう問題であるなら、この遅延は三菱だけの責任ではないということになる。

 

国土交通省のやり方が、FAAと比べて遜色ないものであるなら、これは三菱の見通しの甘さ、リサーチ不足と言わざるえない。しかし国土交通省も初めて尽くしの事であろうから、なんとも言えない。そういう振りして潰した事業なんぞ幾らでもあろう。

 

それでも初飛行後の5度目の遅延は、これは決定的な迄にがっかりさせるものがある。飛行機は飛んでいるじゃないか、なんで予定通りに出荷できないんだ、というのが素人考えというものであって、それが機体に原因があるのか、法的な手続きに原因があるのか、それとも他に何かあるのか。

 

そういう所に起きた不信感みたいなものは、どっかでもっと大きい問題に膨張するだろう。だから、どうしてそうなったのか、それをリカバリする策はないのか。その辺りに、十分な情報を出す事、としか言えない。

 

航空機の開発において一年の差というのは決定的なものではないのかも知れない。しかしライバル会社からすればこの一年は決定的になるかも知れない。それはハードウェアではなくビジネスの話。優れた機体が投入時期を誤ったために決定打とならなかった例はガンダム中に幾らでもあるだろう?

 

MRJゲルググにならなきゃいいのだけれど…