CDCがベトナム航空国際便の新型コロナクラスター追跡レポートを公開

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wwwnc.cdc.gov

 

航空機の換気力は新幹線以上と言われており、新幹線の10分に対して3分程度と言われている。よってその能力は屋外には劣るが、それなりに高い呼んでも良いだろう。

 

どの程度の濃度にどの程度の時間の暴露で感染するかの研究結果はまだないみたいだが、結核ではそういう研究があり、コロナウイルスでも同様の研究は行われているはずだ。空気感染とエアロゾル感染の違いはあるが、該当者がどの程度の会話をしていたかは不明だが、 Index1 は咳の症状があったという事だから、極めて高い濃度のウィルスを放出し続けていた可能性が高い。

 

咳をしていたなら話は全く変わるのである。また感染のこの広がりから Index1 はマスクもしていなかったと推測する。マスクをしてこの広がりなら、マスクの意味はない。そうなると隔離以外の方法はないはずだからだ。

 

すると感染は、周囲2m~3mは咳による大きな飛沫による感染、それより遠くは咳によるエアロゾルによるものが感染の原因と推測できる。エアロゾルによる暴露、つまり空気中の微粒子を吸い込む事で、鼻奥、口奥から喉に直接付着したと考えるのが妥当だと思う。

 

Index1 はフライト中、ずっと呼吸をしていただろうし、その間にずうっとウイルスを供給し続けたわけだから、どれほど換気をしても、流体中に身を置いている人は、結局はフライト中、ずっと暴露し続けた事になる。それなら感染した事に不思議はない。

 

するとエアロゾルによってどの程度の時間で感染に至るかは、このフライト時間の約半分程度と考えてみると、フライトが10時間なら5時間になる。これは十分にありそうと思える。感覚的には1時間以上は危ない。10秒ならありえないと考える。すると何分?という感覚として15分を濃厚接触とするのは妥当な気がする。

 

感染した大部分がビジネスクラスであるし、ある程度離れているエコノミークラスに感染が及んでいないので、例外の2名は、換気ではなく別の経路で感染した可能性の方が濃厚だ。それが何であるかはよく分からない。少なくとも、その二人がいる空間にはエアロゾルが流れていない、または濃度は薄かった事が想定できる。

 

しかしふたりが近くに並んでいるのは示唆的で、搭乗時、降機時の可能性も否めない。その時に咳を直接くらった可能性もあるという意味だ。

 

機内で感染したとしたら、飛行機内の換気システムがその辺りに漏れていた可能性もあるし、トイレか何かを共有した時の接触や、たまたま感応度が高い免疫の人たちで低濃度でも発症したか、など理由が考えられる。

 

直接的に接触したかどうかは不明だが、もしないとすれば、1分未満の接触エアロゾルでも感染する経路があるという事になる。それはかなりないように思える。それよりは飛沫接触の方が可能性は高く思われる。

 

いずれにしろ、最大の感染要因は距離である。それは間違いない。それは1km先で発生した病気に罹患する可能性が極めて0であるのと同じだ。近づかなければ大丈夫は基本戦略である。

 

およそ屋外でさえ数m以内に咳をする感染者がいて浴び続ければ感染するのは常識としていいと思える。メカニズム的にも何ら不思議はない。よってそのような距離では感染者がまずマスクをするだけで状況は変わる。そして相手からの飛沫を更に防ぐためにフェイスシールドやマスクなどの着用するのも効果的という知見はこれまで通りのものである。更に手を洗う、うがいをするなどが効果的である事も、一応、証明された事実として認識しておいても間違いなさそうである。

 

よって今後の問題は、感染者がいる空間でもどの程度で手を洗い、うがいをすれば効果があるかだ。その時間を割り出さなければならない。毎度石鹸を使う必要はないはずで、水でよいからこまめに洗う事、うがいする事がどれほどの効果を上げるか。今の所、それを示唆する論文はなさそうで。

 

一時間毎なのか、30分毎なのか、それとも2時間で十分なのか。この辺りが今後の重要な知見と思う。