「もんじゅ」の運営主体変更へ。原子力規制委が初勧告

newswitch.jp

 

現場に入った事も見た事もないけれど「約1万点の機器の点検漏れ」という時点で、もう人間には無理だと考える。

 

製造時の部品数としては、車の部品が約4000種類3万個。

www.jama.or.jp

 

航空機が約600万個。

04510.jp

 

実験棟「きぼう」で約200万点、H-ⅡAロケットで100万点

https://www.kantei.go.jp/jp/singi/utyuu/tukitansa/dai6/siryou2.pdf

 

もんじゅの部品数も、300万点以上との事(詳細不明)。

 

これは組み立て時には、それぞれの納入メーカーがチェックしているだろうけど、納入後の検査も含めると必要なのべ人数は莫大となろう。しかし、部品数だけを見れば、他の構造物と比べてべらぼうな部品数という感じはしない。

 

しかし、運用時にチェックリスト1万点漏れとなると、その背景にはそれ以上の莫大な数のチェックリストがあるという話だ。何%を漏れて1万点になったかしれば、チェックリストの全数が分かる。

 

例えば Windows なんかはどれくらいのテストを実施しているか。恐らく10万じゃきかないと思う。ソフトウェアの検査項目数の妥当性は通常は分岐数である。分岐数の組み合わせの数が項目数になる。だから基本的にソースステップ数と比例する。

 

更にはマルチで動く場合、それらは更に組み合わせとなって乗っかる。4つの分岐があるなら、各分岐ごとに2つの評価、組み合わせで2*2*2*2=16である。

 

このコードがふたつ並列して動くなら更に組み合わせは増加する。2の分岐にもう片方の16のパターンを組み合わせて2*16=32で同時制を評価しなければならない。この組み合わせが4つである。32*32*32*32=1048576。

 

本当かなぁ?あっと言う間に項目数は増加するのである。10と10の試験を組み合わせれば100である。更に10で1000、どん。

 

だからもう自動化しなければ人間には不可能なのである。その自動化が完璧であるはずもない。さて、Windows の実際のテスト項目数ってどれくらいなのだろう。

 

我々は理想とする項目数を限られたリソースでこなすには方法論からもマンパワーの観点からも難しいという前提に立って議論しなければならない。ケルコポルタ門の施錠忘れは遠い昔の話ではないのである。

 

運用とはチェックと対処の繰り返しの事である。航空機はとにかくチェックを頻繁に行っている。それでも整備士は安心して寝れない日がある事に疑問の余地はない。


飛行間点検、定時整備、重整備とあって、数週間に渡ってばらして再組立ても実施する。ネジの一本一本まで調べて確認する。

 

飛行機やロケットはそれでも整備のノウハウを持つ。それは長い時間と事故の繰り返しの間に蓄積した人類の資産であろう。

 

でだいたい整備がおろそかになるのに理由は決まってる。予算削減に伴う人員整理。それがスケジュールの圧迫となり、納期の達成を危うくする。そこから得られる答えはひとつ、整備の省略しかありえない。それ以外は通常、ありえない。

 

チェックリスト漏れとなる不手際に至るためには幾つかのケースがあるとはいえ、堅牢なシステムに相応しい整備体制を持たず、殆どバイトを雇い、これやっといて、と書類を渡し、バイトから見ても無意味で無駄な項目の羅列、はい、やりましたと一応チェック。OK,ごくろうさん、そういう仕事の仕方じゃないか。

 

圧倒的に整備、点検にかける予算と日数が不足しているんじゃないか、そこが疎かで検査漏れと言われても当然。一体、1万の点検にどれくらいの日数と人数をかけるつもりだったのか、それを聞かなければ何も始まらない。寝てる間に終わるなどグリムの靴屋だけで十分である。

 

まぁ、辞め時だと思う。研究そのものは必要だが、全然違うアプローチを取るべき。その体制も機構も、そして実験炉も、今の人間の能力で御しえるものではない。