なんか、すごい。完全にビジネスでやってる感じが好感度Up。
指原莉乃の強みとはお金の匂いがちゃんとする所かも知れない。それがきちんとファンにも届いていて、疑似恋愛なら疑似として、タレントならタレントとして、きちんと役割を果たしている、そういう感じがした。
だから自分たちの矛盾にも自覚的である。
指原:今回、HKTメンバーともお話したんですが、熊本で震災があったことによって、元気のない九州のファンのみなさんがたくさんいると聞いています。少しでも元気が与えられるよう、投票してもらうという形にはなるんですが、私たちが頑張っていることで、元気が届くといいなとメンバーと話しました。
この、すごいセリフ。震災があって、元気を与えられるように、お前らはまず金を払え、って言っているのだから。
無条件で元気を配れるわけじゃないんだ。こんな地震の時でもファンならお金を払って欲しい。それで私たちは輝ける。
もちろん、プライベートでは寄付をしたりボランティアに参加してるかも知れない。それでも AKB のビジネスは譲れない。
偽善だってやらない善よりはまし。
これは鋼の錬金術師のセリフだが、ビジネスでだってちゃんと元気づけられると自覚しているのはとても素敵だ。
どうも無償が、とても美しいとされている。それが君の気持の純粋さを見せていると言う意味で。だけど、一回だけならいざ知らず、持続的に活動するなら収支が全てを支える。その支えがなければ、ゆきずりのボランティアで終わってしまう。
そういう所まで考えて話している事が感じられるから、そういう割り切り方ってのは、たぶんアイドルではなく経営者の視点じゃないかな。
彼女は、自分で自分を売り込む事にも長けている。九州に行く事でそういう考え方が身に付いたのかも知れない。なにより嗅覚のお化けのような秋元康が身近にいる。見て学ぶ。これは大きい。
「自分で自分を売り込む」というのは本当に大きなスキルだ。AKBというビジネスの中には何が最強の武器であるか、どう使えば上手くいくのか、本当に分からない。そんな中で、どうすりゃああなれるんだよ、ちくしょ-って思っているメンバーがたくさんいる。
その中で指原莉乃というビジネスモデルは注目されている。だが、だれもその後を継げない。唯一無二。何人の人が人知れず絶望してきたか。AKB もまた死屍累々の道である。
だけれども、それでもそれは AKB という世界の中にいるから通用するのではないか、AKB から出たら魔法が消えたシンデレラに戻るんじゃないか。そういう不安に眠れない夜もあっただろう。
魔法が消えるまで。
未来編でカプセルから出た瞬間に溶けてしまった培養生物のようだ。とすると、彼女たちの本能は AKB という国からどうやって外に出ようかという野心と不安を抱えて狂おしくもチャンスを伺っている状態かも知れない。
ならば彼女たちは蛹の姿だ。AKB という蛹の殻を割り、蝶となった暁に、もうそこに戻る事は叶わない。飛び立つしかないのである。