最近、なんか歌がリフレインする、何の歌だ、と思っていたら、ローニャである。さずがは宮崎吾朗ではない。さすがは谷山浩子である。
宮崎吾朗に物語の才能はない、という事はもうはっきりしていると思うが、所が、この人はなかなか絵がうまい。
特に説明する絵が本当に大好きだ。この人は説明するのがすこぶるうまい。たぶん日本でもトップクラス。
この展覧会には行かないとは思うが、宮崎吾朗のこの絵はとてもいい絵だ。
何となくというより、たぶん明らかだが、水口幸広のカオスだもんね、と同じ系列の感じがする。両者は似通った絵かも知れないが、そこから受けるメッセージ性はかなり違う。もちろん、匿名で見分ける自信はないが。
彼の絵の力にジブリのレイアウト展で気付かされた。ローニャにしても面白いとは思わないが、よく観察しているなと感じることは多い。物語としてどうかよりも、観察眼みたいな所で悪くない。
つまり何が言いたいかと言えば、ジブリは宮崎吾朗にドキュメンタリーを取らせろという主張である。実写とアニメの半々でもいい。
制作秘話でもいいし、建築学が専攻だったらしいので、そういう類のものでもいい。
アニメと関連付けた方が話題になるだろうが、例えばパトレイバーで押井守が描いたような東京の風景を、今度は好きに切り貼りしてドキュメンタリーとして追い掛けてみるのはどうか。映画をドキュメンタリーでトレースする。面白そうだと思うのだが。
兎に角、お父さんとの比較はどうでもいい。雌雄は決している。あちらの土俵での勝ち目はゼロである。だが物語では負けても、ドキュメンタリーならきっといい線を狙えると睨んでいる。
つまり、まだ完敗するにゃ早いってことだ。