えんとつ町のプペル - キングコング西野

 

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制作サイドの理由になるのですが、実はこの決断には勇気が要りました。 


制作スタッフには最初の段階ですでに給料が支払われていますが、僕や出版社は絵本の売り上げ(印税)で生活しているからです。 


「無料にしてしまうと、食いっぱくれてしまうのではないか?」 
そんな不安もあります。 

 

しかし僕は、『10万部売れるコト』よりも、『1億人が知っているコト』の方が遥かに価値があると考えます。 

 

1億人を楽しませることができたら、その瞬間は1円にもならなくても、後から何とでもなると思っていますし、なんとかします。 


それに、「西野君、こないだはありがとね」と夜ご飯ぐらいご馳走してもらえるんじゃねぇかな、と思っています。  

(お金の奴隷解放宣言 - 2017/1/19 09:12)

 

無償化を批判する人の気持ちは分からない。自分の裾野を広げることは常に正しいと考えているから。そのための障壁を取り除くのは支持する。タダほど怖いものはない。確かにそういう場合が多い。だが、現在はタダを持ち出す事がビジネスが成功する条件のような所がある。ではどこで稼ぐのか。

 

言っている事は凄くいいのだ。僕は全面的に支持する。だのに、なぜだろう、彼からは偽物くささが消えない。これぞ、まさに The 偏見である。それくらいの自覚はある。

 

偏見まみれのまま、彼のブログを読んでみたら更にいいことが書いてあった。  

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公開されたえんとつ町のプペルをずらずらと見ても、良い出来だと思う。すぐに book off に並びそうだという感想は、これはかなり数が出るだろうという予測の裏返しだ。

 

それでも、まだ偽物くささが拭えない。この強烈さはナンだ、というのが彼の持ち味なのかも知れない。 

 

お金の奴隷解放宣言は、言いたいことは分かる。目の前の小金よりも、もっと大きなことをやろう。そのほうが絶対に絶対に、もっと大きな利益が得られるから。 そういう意味では彼の怪しさの一因は、短期ではなく長期的視野を持っているからか。

 

彼の思想には、とても賛成だ。著作権という考えが、次第にこの国の Creativity を萎縮させている。過去を振り返ることでしかビジネスができない環境が強くなりつつある。 

 

裾野を広げることが最も大きな投資である、という考えは、そのまま市場を自分で育てるという意味になる。真似るだけでなく、二次創作も、コピーも、剽窃もすべて、みな創造性に寄与するのである。この考えは現在の著作権からは生まれない。

 

現在の著作権は、創造性から遠いだけではなく、ただビジネスを妨害したという理由だけで市場を縮小させる事を厭わない。その結果として、市場のみならず、クリエータの数も縮小してゆく。縮小してゆけば、あとはどれだけ過去の遺産で長らえるかという方向にしか進めない。

 

新しい創造性を模索する中で、新しい動きを支持する。そこまで頭では分かっていても、なぜまだまだ偽物臭さが払拭できないのか。なぜだ?斯くも優れた言葉を紡ぎだせる人であるのに、警報は止まらないのである。

 

はねるのトびらだって面白く見ていた。あの番組の中心にいたのは間違いなく西野であった。 詐欺師と人たらしは紙一重だからか?どうしても信用できない。ダメだ。こいつはうそつきであるというメッセージボックスが止まらない。

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その理由はおそらく彼とは友達になれそうにないからだと思う。そう思う。

 

友人という関係は嘘は嘘として含んだままでも付き合える点にあると思う。嘘つきであれ、犯罪者であれ、それを許し友人でいられる関係。そこには全面的な信用があるからではない。

 

信用は騙されたときに許さない関係だが、信頼は騙されても許す関係である。友人関係でも警戒はある。だが、騙そうとしている事に気付いても続けられるのもまた友人関係であろう。

 

この人は、友人関係という形まで行かなければ魅力は分からないのではないか。逆に言えば、この人はそういう人間関係を構築しようとする所に注力していない感じがする。来るものは拒まないが、自分からは行かない、そんな感じがする。

 

だのに、観客とパフォーマーというn:1の関係ではなく、常に1:1で関わろうとする関係性が、この人の新しい舞台ではないか、と思ったりもする。

 

という事は、彼の偽物くささは、彼が舞台から客席に降りてきたからではないかと思ったりもする。芸をするためには舞台の上では埒が明かない、もっと近づいてしまえ。deception ではないがマジシャンのように振る舞える自信の表れだろう。

 

炎上耐性という新しい属性を装備して、活動の自由を得た。当然だが、反対派だって粛々と活動するので、最終的には、対決するか棲み分けするしかない。炎上しながらも棲み分けするのが最も正しい状態か。

 

彼は炎上する事を必要としている芸人なのかも知れない。炎上させる意図があろうがなかろうが、この人の場合、炎上と話題はニアリーイコールのはずだ。 

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 恐らく、それが上手なマーケティングなのだ。それで揺ぎ無いブランドを作っているという話でもある。だから今は炎上しなければ逆に困るだろう。敵がいるから信用を得られているという話である。いつか、その状況を必要としなくなる戦略に転換するだろうか。その時には偽物臭さは消えるのだろうか。