艦首が台形から四角形に 「空母化」した護衛艦かが 初の試験航海

 

 

空母の定義は難しい。航空機を乗せれば空母と呼んでいい。20機程度なら軽空母と言う呼び方もある。強襲揚陸艦と軽空母の違いに明確はない。なぜなら兵器は戦略上の要諦から装備されるからである。

 

えてして戦争は想定通りには動かない。すると兵器の方でも思ってたのと違うという場合は起きる。こんなのは太古のローマ人でも知っている事なので、兵器に汎用性を持たせたいのは当然である。

 

ある目的に特化した兵器というのは魅力的であるが、使う側から言えば戦術が限定されるので使いにくい。その最も顕著なもの核兵器であろう。他の使い道がないのである。使う時には結末まで一直線である。だから抑止には使える。

 

空母を保有する国には思惑がある。それは専門家が良く解説してくれるであろう。素人にはその意図は計り知れないが、基本的に軍には外征型と防衛型がある。外国に行って戦闘をしたいなら空母は必須であろう。

 

フォークランドではイギリスは空母を持って行った。できるだけ沢山の航空機は投入したい。だが、そのためには飛行場がいる。他の経由でも飛行機を持っていきたいのだけれど、実際はハリアーだけで頑張った。

 

戦争をするなら陸軍もつれてゆく。空母だけで戦争が完結するわけもない。世界最強のアメリカ空母であっても、あれは先頭に立っているだけの事で、その背景には巨大なアメリカ六軍(空、海、陸、海兵、宇宙、沿岸警備隊)が待ち構えている。それでたりなければ州軍もある。

 

日本の戦略として今すぐに中東やアフリカに行って戦争をする事はない。空母一隻で何が出来る程度のものでもない。

 

アメリカが外征を抑え、その分だけ軍事費を他に転用すると決めたなら、艦隊は縮小されるであろうし、幾つかの海外の基地からは撤廃する。それはアメリカの外交や同盟にも影響しアメリカの覇権も変わり得る。別に変わってもすぐに取り戻せるなら気にしなくてもいい。i shall returnである。本当に一度失ったものは取り戻せるかどうか。

 

中國も外征型の軍を持ちたがっているはずだ。一帯一路からして経済と軍を運ぶ海流、砂流である。各場所で港や基地をレンタルするのも近い将来にはそこを軍港化する予定だろう。その地域のプレゼンスを得る。その結果として、他国のビジネス展開を抑制する。現地政府と強力な連携をして、乃ち軍のレンタルも含めてビジネス化して地域の安定と経済の主導権を握る。そういう戦略には説得力がある。

 

これが実現できるのは、現在ではアメリカだけであろうが、中國がそれに続こうとしており、ロシア、イギリス、フランスはその縮小版程度として地域での影響力を行使しようとしている感じだろうか。

 

地域の影響力の主な目論見は恐らく資源である。第一次産業で得られる資源の取り合いだと思う。アメリカ本国で石油が出たからアメリカは中東から手を引きやすくなった。それでも経済は世界規模だから完全に無視はできない。もしアメリカにない資源の争奪戦ともなれば、世界に出て行く必要がある。

 

国同士が貿易協定、産業協定を結びたいというのは、恐らく資源を持ってこなかった日本ではその道の専門は商社に丸投げしている状況かも知れない。国の支援というのが欲しいかどうか、それは当事者にしか分からない所がある。日本も資源といえば深海にはかなりなものがあるらしい。今準備しておかないといざ掘ろうとしたらいつの間にか無くなっている可能性もある。海上保安庁の重要度が増す所以だ。

 

日本が空母を持った所で、外征型にはまだ程遠い。そもそも政治にそのプランがない。すると必要性としては戦術レベルという事いなる。つまり日本近海での戦闘である。当然仮想敵は中國である。空母がある事が望ましいという判断であるが、当然ながら中國相手にたかが20機のF35Bなど無きに等しい。

 

空母など戦闘が開始されれば真っ先の攻撃目標である。これはミッドウェー海戦から当然である。とすれば、日本のかがは、それ以外と自衛艦と全く同じく、アメリカと連携して使う事が前提である。アメリカなしで運用する事は考慮されていない、または考慮した所で、そこに嬉しい未来はない。

 

もちろん、同盟を中國に鞍替えするのはひとつのオプションである。中國共産党の批判さえしなければそれほど悪い相手ではない。もしかしたら二等国扱いされる可能性はある。上昇気流に乗った国家とその国民が他の国々と国民を下に見るのは日本の明治期を見る限り万国共通の真理であろう。

 

いずれにしろ、アメリカ軍と連携して作戦を実施する。将来的にはアメリカの外征に組み込む。そういう前提がある。海外のアメリカ基地に長期駐留も考慮されていると考える。

 

実際に中國とアメリカが戦争をする時には核使用もやむなしと決意した場合は、もう通常兵器がどこまで役に立つかなど不明確である。もし中國が故にアメリカは引き下がると見たならば、戦闘の前に台湾に人々を如何に受け入れるかに知恵を絞るのが先となる。アメリカが州をひとつ増やしてそこに希望する人々を移民させるのが現実解となろうか。今からやって準備しておけという話である。

 

空母云々の話はない。たぶん尖閣は取られだろうが、この場合の海上自衛隊の最大の任務は中國の空母をすべて潜水艦で撃沈する事だ。できればどこかの港は数年は使えなくしたい。その為にならば、かがは囮として使う。仮に沈没しても宜しい。

 

小沢艦隊の再来。なんという浪漫。