地球をひたすら掘ってみる、と潮汐力

チリで閉じ込められた人よりももっともっと深く掘ってみる。

 

地球の構成は、地表から、地殻、マントル、コアの構造を持つが、これをどんどん掘る。直径1kmの穴をじゃんじゃん掘ること70km、マントルに到達する。

 

こういった構造の違いはおもに地震波の伝達速度の違いから発見され、地殻とマントルの境界は、モホロビチッチ不連続面と呼ばれる。

 

さてマントルとなろうともがんがん掘る。熱いだの溶けるだのは気にしない。絶対に大丈夫なコンクリートで固めていると思えばいい。そのまま掘れば2900kmにおいてグーテンベルク不連続面に当たる。

 

ここでマントルと別れコア(核)に突入する。コアは重たい物質、鉄とニッケルからなどが沈んでいると考えて良さそうであるが、気にしない。掘れるのであるから掘ってゆく。

 

さて、6400kmほど掘れば地球の中心である。とりあえず反対側も掘って貫通したとする。


そこで、ボールを手から離すとボールはどこに行くだろうか。その中心から上を見上げれば空が見えるはずである。

 

地上にいる人が掘った穴に橋を渡した時、そこでは重力はどのようにかかるだろうか?

 

そこから飛び降りたら、どこに向かうであろうか。地球の大きさと比べれば1kmは小さいのでそう大きな影響はなく、中心に向かって重力が働きそうである。しかし、半分まで落下した時には、上からも下からも両側からも重力が働いている筈である。

 

重力をそれぞれの点からの円の重なり合わせて、その濃度の濃さとし、それを方向によって互いに打消し合うようと定義すれば、地表に居るよりは重力は小さい筈である。

 

重力の方向を地球の中心とした時、そこまでの鉛直上には重力を与える物質は存在しない。飛び降りた人を引っ張る質量も存在しない。それでも周囲の重力の働き方は変わるように思える。

 

中心に到達した時、上下左右から同じ質量の引力で中心から外側に向かって働いている筈だから浮遊状態になるのではないか。

 

マクロとしての物質の固まりとして見れば重心にむけて重力が働くとして計算する。しかしミクロで各粒子で考えると、力は打ち消し合うとしても重力が消える訳ではなく、その結果として中心は無重力であるのか、それとも四方に引っ張られて雲散霧消するのか。

 

潮汐力の正しい理解のために
藤原隆男(京都情報大学院大学)

重力の中心に対して、その周辺でも重力の引力は発生しておりその差異が潮汐力となる。これに角運動(公転による移動と自転による様々な力)や電磁気力(液体と固体の間で発生する摩擦等)によって潮汐ロック(公転と自転が同じ時間スケールになる)が発生する。互いに影響して同期するのは分かる気がする。

 

回転する運動(ばけつを持って手をぐるぐる)では、進行方向に向かう力が起きている。これはボールを投げているのと同じ。ボールを投げる側に二つの条件を加え、ボールに紐を付ける、ボールに投げる力をずっと与え続ける。

 

バケツぐるぐるでは、肩を中心に角運動が起きている。直線に運動したいのに、手とばけつを繋げている力、向心力(月と重力の関係に同じ)があるため直線に運動できない。軌道は回転となって直線距離が角度と半径に分解され表現される。

 

回転は、円周に対する進行方向への接線の力が働いている。月は強く投げられたボールで、ボールは常に重力で地球に向けて落下し続けているが、余りにも遠くへと投げたのでいつまでもボールは落ちてこずに地球の周りをくるくる回っている。

 

バケツの中の水はバケツの中の水からすれば向心力の反作用である遠心力によって外側に向かって張り付いているように見える。では月の裏に立ったら外側に飛ばされてゆくのだろうか。月の表に立ったら地面に押されるのだろうか。これは太古ギリシャ人の疑問と同じだろう。

 

バケツの手を離したら、バケツは接線進行向きに飛んで行く。中の水もいっしょに飛んで行く。常にバケツと同じ運動をしている筈である。

 

回転運動は、飛んで行こうとする物体を引き留めている(向心力)という事で、引き留めて置こうとする力に対して反対向きの力がある事を示している。

 

雰囲気としては

  1. 前に飛んで行く(物体の運動)
  2. それを引き留める(腕や重力)
  3. 引き留めた分だけ逆向きの力が慣性として物体に及ぶ(水が底に張り付く)
  4. 前に飛ぶ力は軌道を変えその分だけ減速する
  5. 新しく力を与えて回転を維持する

この繰り返しという感じで理解する。前に行く力と向心力の合力があって、その反作用として遠心力が生まれているのではない。回転系から観測すれば垂直の慣性力である。

www.nhk.or.jp

 

この論文によれば500億年後には地球と月は潮汐ロックとなり、自転と公転が47日で一致するそうである。2.5億年前(ペルム紀)は年輪から地球の自転はもっと早く22時間、月は今よりも近くで自転も早かったらしい。

 

地球の中心に落下しても月の潮汐力は受けるという事か。