異常発生きっかけ、関門海峡のナマコを宝の山に

異常発生きっかけ、関門海峡のナマコを宝の山に
(読売新聞 - 11月13日 11:43)

30年近く漁を続けている漁師の男性は「今まで捨ててきたものをとるために漁に 出ることになるとは」と語った。

 

その他の期間はとれても売れないため、海に捨ててきた。しかし大量のナマコを目にした組合員たちから「もったいない。何かに使えないか」との声が上がったという。

 

注目したのは中国。同国では干したものを「海参(ハイシェン)」と呼び、煮付けやスープなどに使う。アワビやツバメの巣と同様の高級食材として扱われ「海の黒ダイヤ」とも言われる。

 

おらが村ではなんの価値もないものが、外に出てみると望外の高級品。例えば幕末の浮世絵。日本から輸出する陶器の包み紙。今でいえば、茶碗を包む新聞紙。これに目を付けたのがヨーロッパの画家達だった。

 

こういう話はいっぱいある。大阪でミカンを安く仕入れて江戸で売った問屋さん。ご当地ラーメン、B級グルメ、たいていそういうものだし。なんとも納得いかないのが、当の本人たちがその価値を知らないでいる暢気さ、という部分。

 

でも、それは仕方がない。価値を付ける相手はコミュニティーの外にいる人たちだから。需要と供給は異なる場所の高低差だから。

 

青い鳥は裏庭にいるかもしれない。しかし、それを見つけるには一度自分の町の外に出てみなければならない。苦労して見つけたお宝が掃いて捨てるほどあるよ、と言うオチなんて、漫画でもよくあるシーンだ。

 

みんなが馬鹿にしているもの、毛嫌いしているものに価値が付く事もある。見向きもしないものが凄くなる話はみにくいあひるの子で知っているはずなのに。

 

だが、この夢のような話は本当に難しい。これを探し出せる人は、トレジャーハンターの類だと思うけれど、さて、お前にはなれるのかと聞かれると自信はない。自分の価値は自分で見つけるんじゃない。自分に出来るのは、それを見つけられる人の所まで移動するだけだ。

 

本を読めば情報を制するものが世界を制すと書いてあるが、じゃ本なんか書かないでお前が制覇してみろよ、と言いたくなる。単純な情報のマッチングに過ぎないけど、微分積分の公式は簡単でも解くのは大変なんだ。

 

世界に何十億とある情報のどれとどれをコンビネートすればいいんだよ、というのは、砂金を求めて西部を行くゴールドラッシュみたいなものだ。Jobsも繋げるのが重要だと言っていた。重要である事はそれが簡単であるという意味ではない。

 

そういや渋谷のゴールドラッシュは美味しいハンバーグ屋さんだった。あの頃にはもう戻れない。