「コンピューターが政治」は可能? そのメリットとデメリット

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利害関係もないので、政治の質を向上させることが可能です。また、国民の幸福のためにどんな政策が効果的なのか、最も良い方法を選択してくれるでしょう。

 

現在、私たちは暮らしの多くの場面でコンピューターを頼っています。多少のミスはありますが、人的ミスに比べると圧倒的に間違いが少ないのがコンピューターの魅力。ここ数十年で私たちの生活が安定した理由に、コンピューターの発達を無視することはできません。

 

利害関係がないのにどうやって利害調整をコンピュータにやらせるのか。幸福の選択肢は誰が入力するのか、我々の生活にコンピュータは欠かせないのはその通りであるが、この数十年で生活が安定?小泉改革以降の貧困や大震災をお忘れになったか。


富野由悠季に次の言葉がある

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コンピュータ一般というよりも、コンピュータのシステムというものを改めて考えてみると、「コンピュータのシステムとはこういうことではないか」という発想を思いつきました。 「よくできた官僚システムじゃないか」ということです。

 

コンピュータに政治をやらせる、はどの部分を移植するのだろう。立法・行政・司法がある。どれも実現性で言えばまだ居酒屋談義である。

 

立法権をコンピュータにやらせるのはイメージしにくい。しかし行政権をコンピュータに肩代わりさせるというのであれば、これは小説にも漫画にも、たくさんある。恐らくそう難しくはない。

 

地球へのコンピュータマザーもそうであるし、ガイゾックのコンピュータドール第8号も行政権が与えられたコンピュータである。

 

だが、司法が一番コンピュータによる置き換えが可能な分野だろう。証拠の提示と法令、過去判例から該当案件の近似値を算出する。凡そ判定は公正になるし、間違いも起きにくいだろう。

 

コンピュータとは考える機械ではない。コンピュータは計算結果を出す機械である。だからコンピュータには次の二つを与えなければならない。

 

数値と解法(=式)である。

 

そしてその結果として演算された結果(=数値)が答えである。SPEEDIは解法は与えられていたが正確な数値を与えられなかったため予測を出力するには至らなかった。

 

三権について考えるならば、数値(入力パラメータ)とは何であるか、解放(出力値を求める式)は何であるか、を良く考えなければならない。政治とは何か、官僚とは何か、裁判とは何か、を数値化しなければならない。

 

コンピュータは解法に従って計算を行う。だから解法に対しては立ち止まる事が出来ない。もしコンピュータが人に反乱するのであれば、それはエクセプションする事になるだろう。

 

裁判は恐らく今でもコンピュータ化が可能な分野であろうがそうしない理由は立ち止まる事が出来ないからと思われる。

 

100回同じ判決をする裁判官で居る。それがコンピュータなら101回目も同じ判決であろう。しかしこれが人間であれば101回目は異なる判決を出す可能性がある。疑問を生じる、という点が違う。

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コンピュータが疑問を感じるような工学はまだ存在しない。人間は間違いを犯す、だから常に疑問を感じる回路が備わっている。しかしコンピュータにはまだそのような回路は搭載されていない。

 

しかし富野が指摘する通り、官僚システムというのは良く出来たコンピュータシステムである。正確さで順次処理してゆくバッチシステムだ。

 

だがその中で官僚は立法へのフィードバックを行う、この法律にはこのような問題点があるから法律を変えてくれ、こうしてくれ、ああしてくれ。

 

彼らも人間だから少しは自分の都合のいい法令も作るだろうが、行政は立法へのフィードバックを兼ね備えて行政を遂行する。行政における問題点を吸い出すのは立法の重要な機能である。

 

相互参照によって常に監視しあい、そして牽制しあい、そしてフォードバックしあう動的並行の関係、平和的共存の関係にある。ここに司法という第三者を組み込む事で三すくみ、または2体1の力関係を組み込んだのが近代国家である。

 

だから政治家の仕事にひとつに行政に反映されない問題点を見つけ出す事がある。この意味する所は、まだ誰も作っていない法律を新しく作成する、である。

 

行政は常に今ある法律への変更を求める。付随して新しい法律も作るが、基本的に常に今ある場所からのステップを積み上げる繰り返しだ。

 

立法はそれよりは自由に社会の変化に合わせていきなり無から1となる法律を作り出せる、その可能性を内包する。

 

さてコンピュータに政治をやらせる、として何を入力するのか、それが明示されなければ電源を入れていないコンピュータである。ただしコンピュータは電源を入れれば動き出す。それは過去にインストールしたソフトウェアである。新しいソフトウェア刷新を如何に組み込んでゆくか。