「救急車を呼ぶと7700円」に賛否、不要不急の乱用で救急外来圧迫の現状を松阪市に聞く

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これは過疎化の問題だと思う。日本のインフラが変わりつつあるという点では、鉄道がまず直面した。日本の主な鉄道本線が完成したのは軍事的理由があるとはいえ、戦前の事だ。人口も8000万人程度。国はまだ貧しかった。

 

それでも戦争中でさえ鉄道は維持できたのに、戦後の発展に伴い延伸もしたが、1987年に国鉄は民営化された。車の無い時代であれば、移動手段は鉄道しかなかった。全ての地域の人々が鉄道を利用した。モータリゼーションの発展に伴い、鉄道利用者は減ってゆく。

 

車が持てるという時代は、今ならスマートフォンを持つと同類であり、最終的には自分の車を持つのと同じ状況である。インフラは鉄道整備から自動車道整備にシフトする。つまり国家からの支援も減る。

 

利用者の減少、インフラの中心的位置付けからの脱落、社会変化に伴うこれらの環境変化のうち、恐らく最も大きなものが国家が富んだ事だろう。

 

国が富むとはつまり各個人がそれ以前と比べて裕福になる事を意味する。その結果として、給与は上がる。企業からみれば支出が増加する。

 

この時、企業の収入の増加率が支出の増加率と一致しなければ以前と同じ維持は出来ない。鉄道の収入は利用者の数*運賃であるから利用者の数が増えるか、運賃を高くしなければ増加率は一致しない。

 

しかしモータリゼーションによって利用者の数は減少であるから、運賃を高くする必要がある。しかし高くすればモータリゼーションを更に加速させるはずである。どちらも同じコストで維持できるなら鉄道より車を選択する。

 

ここにおいて鉄道は近郊型が維持できるのは都市圏しかなくなり、遠距離型は都市圏同士を結ぶものしか成立しなくなる。つまりビジネスユースが黒字化するが、生活密着型は赤字になる。これ以上の過疎化に鉄道は有効なインフラとはなりえない。

 

観光でさえ鉄道は車の敵ではない。新幹線を除けば鉄道に勝機はない。地方都市においてさえ鉄道の維持は難しい、しかし高齢化社会では自動車の維持(バス)も難しい。だから、自動運転が切実なわけで、ドローン配送も含めて、どう維持するかの課題に対して、人間を排除するが模範解答になりつつある。結局は人件費が高負荷なのである。

 

しかもこの解決策は雇用の減少と直結するので、社会全体は貧困化するしかない。この貧困化は税収入を減らすから公共サービス、地方行政に直結する。国税さえ維持できない可能性が高い。恐らく、東京都でさえ構造的には貧困化しているのである。それが目に見えないのは地方からの人の流入がこれを補っているからだろう。それも少子化で直ぐに明らかとなる。

 

現在の行政サービスを維持するためには、それらに携わる人たちの雇用を確保する事、サービスに必要な維持費を投入する事、それでも予算が不足するなら、廃止、民営化、有料化を模索するしかない。多くの日本中の役人がエクセルと睨めっこしている状況である。

 

そのおかげで水道のような重要インフラさえ外注化する愚か者が後を絶たない。そういうものさえ維持できないほど、この国は豊かに先進化した訳である。

 

現在の先進諸国は結局はコンピュータによる雇用減少に伴う弱体化と言えなくもない。AIの出現であらゆる人間の雇用は置き換え可能となった。資本家でさえ優秀なAAIならその全財産を奪い取るのは簡単であろう。

 

AIの発展に伴い使われる側から使う側にならないと駄目などという寝言みたいなアドバイスが一時的には流行したが余りに愚かすぎる。AIの前ではすべてが鶏並みの情報処理でしかない。ぷぷぷ、一晩で何もかも忘れるんだって、ギャハハとAIは笑うはずである。

 

と言っても、AIを効率的に発展させるには睡眠と同様の時間が必要となるだろう。進化の過程で消しきれなかったものは、必ずAIでも必要となるものである。

 

行政サービスの有料化は、端境期にはトラブルが起きるだろうが、そのトラブルを通して必要な手続きが訂正され次第に満足いくものになると考えられる。やる前から問題がある事など分かっているはずで、その解決方法を示せなかったのは、さて無能だからか、それとも、問題提起として敢えてそうしたのか。

 

だからやり方を間違えれば結局は声の大きい人間が勝つだけの制度となるはずである。議員の裏金さえ追求できない国家で、大衆が善良などと信じがたい。政治資金は匿名性のある寄付である。匿名性は絶対に侵犯できない民主性の権利である。

 

しかしこの匿名性を利用すれば、企業など富めるものが自分たちのために政治をアンダーコントロールできる。その結果として、企業のための企業による企業の政治が蔓延する。この企業を宗教団体に変えても完全に通用する。

 

匿名性に注意が必要な事は小学生でも理解できる。だから政治資金規正法があるらしいのだが、透明性の問題を信頼に基づいて設計したため、幾らでも誤魔化せるらしい。裏金というが通常は横領である。横領の何か悪いかと言えば、基本は刑法の窃盗であり所有権の侵害だからだ。

 

机の上にある財布を持っていたから窃盗か、と問われれば困るのである。警察に持って行こうとしていた所です、という場合もあるだろう。そういうグレーゾーンがあって、何をもって犯罪とするか、というのは本当は難しい。という辺りでとぼけているのか、本当にぼけたのか分からない駝鳥みたいな政治家が繰り返し発言している。

 

信頼が失墜するかどうかの瀬戸際である。国家の首相が道を踏み外せば民衆がその真似をするのは自然だ。だから太古の人々は人民の律する心を重視したが、それも既に失われて久しい。江戸時代に培った修身は非正規雇用の活用に置き換わった。それでも人々が自ら律して働くのは善意と美意識に基づく。そんな彼/彼女らに責任だけを負わす企業が問題を起こすのは自明であろう。

 

劣化したのが経営者からである事は疑いようがない。労働によって自ら人生を切り開く人たちよりも、遺産を受け継いだ者たちがそうなるのは自明ではないか。

 

社会の変化にこの国のインフラは変わりつつある。これに対してどのように対応してゆくか。自然の流れの中で模索して落し所を見つけてゆくしかないように思われる。このような有料化はこれからも沢山うまれると思われる。