深夜エロ規制?に「TV終了」の声

もともと、放送倫理・番組向上機構BPO)・青少年委員会というものが、青少年の健全性という、まるで戦争中のお題目みたいなものを狙って誕生したわけではなく、本来は政府からの規制を回避するための自主規制団体という経緯がある。

 

お前たちがコントロールできないなら、法でコントロールする、という政府に対して、いいや、自分たちでコントロールできる。そのための団体を作り監視する、みたいな、馬鹿どもの競演の上に現在のテレビは存在している。

 

もちろんであるが、組織は誕生した瞬間から、その目的を生存に切り替えるという法則がある。もともとの役割や、意図、目的に沿って動くのではない。組織が誕生する経緯にはそのようなお題目が必要であるが、一度誕生すれば、与えられた権限の中で、組織は永続化しようとするものである。そのためにもっとも必要な事は活動を継続するという事である。命と同じだ。

 

もし犯罪者がいなくなれば警察組織は解体するであろうか、否、でっち上げてでも犯罪者を作るであろう。この世界からあらゆるばい菌が消えれば、免疫機能は消滅するだろうか、いな、今度は自分自身を攻撃し始めるだろう的な。

 

BPO設立の意図は次のとおり。

 

『放送における言論・表現の自由を確保しつつ、視聴者の基本的人権を擁護するため、放送への苦情や放送倫理の問題に対応する、第三者の機関です。主に、視聴者などから問題があると指摘された番組・放送を検証して、放送界全体、あるいは特定の局に意見や見解を伝え、一般にも公表し、放送界の自律と放送の質の向上を促します。』

 

色々書いてあるが、視聴者からの要は苦情処理装置である。そして主な構成組織は次の通り。

  1. 放送倫理
  2. 放送人権
  3. 青少年

これを別の言葉にすれば「右翼、プライバシー、エロ」である。つまりここには苦情の3大要素が含まれていると見做してよい。

 

右翼と書いたのは、つまりはヘイトスピーチ、戦争、ナチス礼賛、など国民を扇動しようとしているのではないか、という苦情。これは主に左翼系からの苦情を想定する。

 

次のプライバシーが犯罪者や政治家、芸能人などの問題で、公人がプライベートを切り売りする商売をしているとは言え、プライバシーはあるという前提である。それは、まぁ、つまり、私の商売道具を勝手に売らないでという苦情であるから、これはまぁ、業務妨害に対する苦情を想定したものであろう。

 

最期のエロがなかなかの曲者で、人間と性は切り離すことはほぼ不可能であるが、そこに苦情が入る、という事を十分に理解していないといけない。おそらく、この苦情を言う人たちに童貞と処女は皆無のはずで、所で風俗嬢であってもノーマルなのものしか知らない人もいれば、地味なOLさんがSMの猛者だったりする事もある。

 

とすればこの3番目の苦情は、いったいどういう思想的、心理的なものが潜在するのかと言う研究は必要であろう。そして、その基盤にあるものが、自分の子供を守りたいという家族的本能から来ているようである。

 

さて、下品な番組は家族に悪影響を与えると考える場合、苦情を言う人たちは自分の子供にどのような性を教えるのだろうか、という疑問とセットにならざるえず、その心理は非常に興味深いものとなろう。

 

もちろん、BPOがそういう研究をするはずがなく、彼らは苦情がある限りは安泰なのであって、そこに思想も道徳も社会も問題を見出すことはなく、といっても、委員会を構成する人たちは日頃からそういう問題と取り組んでいてもおかしくない人たちであるが、それにしては、どーーーーーーでもいいような勧告しか出てこない所をみると、ははん、さては無能をかき集めたな、という感慨である。

 

第一、テレビ東京の番組を見て下品とかいう事自体、どうもあやしくて、さてはフジテレビ、お前、テレビ東京を貶めたくて苦情の電話入れただろ、という結論に至るのである。負け犬がやりそうな事である。