英実業家、自作アイアンマンスーツ「Daedalus」で最長12分の飛行(?)に成功。軍の採用を目指す

もちろん、まだ大富豪の遊具の域を出ていないのだけれど、開発者が手にしたこの最高のマシンを使いこなすには、激しいトレーニングが必要で、横懸垂ができるくらいまで筋力になるまで、ひたすらトレーニングの日々。

それによって、はじめてこのマシンを自由に操れるようになるという。どれだけ夢のようなマシンが目の前にあっても、自分の努力、漫画の中で描かれるような絵になる努力ではなく、ひたすら地道な努力、そして初めて手にできる。

なんだ、このジャンプみたいなノリは。すばらしい!!

どいう話を敷衍すれば、例えば、超能力に覚醒した者がいたとする。それはすごい話ってなわけではなく、それを制御できるようにするには地道な努力と工夫が必要ってことになる。このトレーニングする、という部分に着目した漫画がそろそろ出てもいいはず、という話になる。

というか、ドラゴン桜はその典型であるし、それによって得られる硝酸だとか、ステータスよりも、その過程を丁寧に描くという漫画は増えつつあるような気もする。

その究極は、実用書であるし、それをかみ砕いた物語もいくつもある。例えば、「この我のものとなれ、勇者よ」「断る!」なんかも、作中の物語の推移よりも、その中で展開される現在の制度とか技術が巧みに織り込まれていた部分が面白かったのだし、「転生したらスライムだった件」もその世界の仕組みを読み解くのが面白かったりする。

謎を解き明かすといえば、シャーロックホームズという話になるのだが、クライムサスペンスもいろいろとみてゆけば、ワトソンのような、読者に思い込ませるための役者がとても重要であることがわかる。よくできた作品は、それをさらりとする。下手な演出だと、おお、いま先入観を植え付けようとしたな、偏見まじりで混乱させようとしているな、というのが見て取れる。

その点、科学とかドキュメンタリーはそういうのが希薄で、演出の妙を巧みに使いこなしても、動かないときは動かないし、後から見直せば、こうこう、こういう理由でうまくいったのだ、行かなかったのだ、というのが分かるものだ。

その単純さと、トレーニングしたり、試行錯誤する過程というのが、本当は一番面白いと思うのだ。その面白さに取りつかれた科学者であるとか、技術者ってのは多いだろうと思う。

もちろん、あらゆる仕事はエンジニア要素を持っているものだから、農業であれ、営業であれ、キャバクラであれ、詐欺であれ、盗人であれ、面白さというのはそういう所じゃないかな。

だから、努力とか言っている間は本当の面白さじゃないだろ、って孔子も語っていた。