ロシア思想家の娘死亡 プーチン氏に影響、車爆発

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写真を見る限りアレクサンドル・ドゥーギンはまるでラスプーチンのように語られそうな風貌である。これはロシアのひとつの典型的なテンプレートであろうか。

 

ウクライナとの戦争がロシアの文化的な思想を背景として起きたものなのか、それとも単なるプーチンの痴呆が始めた発狂なのかはまだ分からない。だがその背景にはロシアが長くヨーロッパに対して感じてきた恐怖が裏返しとして存在する事は間違いなかろう。

 

ロシアと一言で語るのはロシアは広すぎる、よってここでいうロシアとはスラブ民族の辺境性が育んだものとして捉える。それはヨーロッパのこれまた複雑な多民族が育んだ近代性や発展性、攻撃性を浴びてある意味では偏屈にかつ健全に育ったものがプーチンを突き動かしたと考える。

 

ロシアがどんな国家であれ、また世界のどの国家であれ、周辺と争った歴史を持ち、互いに牽制しながらもその地域で文化を育ててきた国々の間にはいつの時代もそれなりの恐怖心がある。

 

しかし、独裁的、強権的、民族主義的、全体主義的な社会は時に狂信的な思想家、宗教家が指導者を手玉に取り重宝される様になれば簡単に道を誤る。この程度の話ならどの国家にもあるし、銀河英雄伝説でも読んでいれば理解できるし、日本の2022年は絶賛カルト宗教の影響が自民党の深部にまで侵入している証拠が次々と暴かれている最中なのである。

 

それでもこういう時に民主主義国家の動きの遅さはメリットとして働く。重い腰が必要な手続きを要求する。順々にしか先に進めない。その間に選挙が行われれば馬鹿な指導者を回避できる可能性がある。

 

拙速を尊ぶのは有能な戦術家が見出すごくわずかなチャンスの内だけである。これが理解できずに拙速こそ常に正義と安易に渇望する、その結果の貧相な自分の人生など振り返りもしないでである。

 

プーチンが権力基盤を固めた所に、薄っぺらな思想家の妄想が入り込んだ。行政の道を歩みそれなりに深く思索を重ねていない人生なら仕方がない。前頭葉が弱ってくればそういうものに飛びつきたくなるのは仕方がない。すなおにキリストに嵌れば良いものを少しだけ賢いふりをしたくてカルトに手を出す訳である。

 

偉大なる国家が世界征服に向かうなど幼稚園児の妄想と違わない。それを本気でやろうとしているのである。では、なぜそれが可能だったか、軍隊を動員できたかと言えばロシアの政治体制に問題があったと結論付けるしかない。議会があり行政があり司法があり憲法を持つ国家の全員がプーチンの子飼いであった。こうなると国家は滅びる、というより滅ぼさないといけない。それが歴史の筋書きだ。

 

21世紀の驚愕はそれを核を持つ国家がした事だ。これはソビエト連邦が解体とした時からの置き土産なのか、レーニンの夢からまだロシア人が冷めていない証拠なのか。いずれもネオユーラシア主義と呼ぶらしい。中二病の一種である。つまりはロシアのアイデンティティを探している真っ最中なわけである。

 

いずれにしろ、ロシアの核を拡散させる訳にはいかない。もしロシアがウクライナに勝利すれば、世界中の国は核を持つ。それ以外の選択肢はあり得ない。それしか独立を勝ち取る対抗策がないのだから。

 

よって世界の145国(日本も含む)が核保有をする。すると数年以内には必ず戦場で使う国が出現する。当然ながら報復の核も使われる。地域限定ではあっても核使用が日常茶飯事となるであろう。世界の多くの独裁者に核兵器のまともな知識があるはずもない。目先の領土を奪うために核使用を躊躇する理由がどこにもない。

 

この状況になればテロリストも必ず核を手に入れる。それがニューヨークで爆発するのは既定である。そうなった時にアメリカが核報復をしない理由がどこにもない。アフガニスタンであれ、アフリカの何処かのテロ組織であれ原理主義者であれ、犯人たちに協力した国家も含めて強烈な核報復が行われるであろう。その光と熱はだれひとりも区別せず平等に焼き尽くす。これは避けようもなければ止めようもない。

 

そうなる扉をいまプーチンがこじ開けようとしている。この方向に進むのは絶対に阻止するしかない。故にロシア連邦は必ず敗北させなければならない。そのための方法は?

 

ロシア人をひとりでも多く殺す以外に方法がない。ロシア国内でもパルチザンとして抵抗している人々がいる。多くのガス油田に放火しインフラを破壊し重要人物を爆殺しようと頑張っている人々がいる。しかし、ロシアの強権はその程度ではまだ揺るぎようもなさそうである。腐っても強固な体制が構築されている。しかもその人々が全員プーチンに従順なのである。

 

ロシア国民がプーチンを引きずりおろして終身刑を言い渡す事はまだ遠い。それが起きる為にはロシア人をもっと戦場で殺すしかない。戦場だけではなく食料不足で、企業倒産によって、冬の寒波で、洪水で、インフラの破壊で、次々とロシア人が死んでゆくしかない。それだけがウクライナ戦争に勝利する道筋である。

 

それでもプーチンが政権を明け渡すのは、最後の一握りになってからだ。二億人のロシア国民のうち、最低でもその前に数百から数千万人が死ななければならない。そこまで死んで初めてプーチンとその取り巻きたちを、軍を、警察を、官僚たちを、オリガルヒらを一人残らず終身刑にしまたは銃殺にして新しいロシアに刷新できるのである。二度とプーチンが誕生しないために。

 

その時にはロシア連邦は解体され新しいロシアは分割統治されるのだろう。極東は極東の新しいロシア国家が生まれる。どこかの国が代理統治を始める可能性もある。そしてロシアの核、およびそのシステムは廃絶されるのが望ましい。

 

さて、誰がダリヤを殺したのか。反プーチンらが策動した可能性が高いと考える。常識的に考えればそれしかない。しかし、世界の主要なメディアはそのような合理性を支持すべきではない。ドゥーギンを殺すように指示を出したのは間違いなくプーチンである。そういうニュースを流し続ける必要がある。疑心暗鬼と疑惑をロシアの中に打ち込む必要があるからだ。

 

仲違いさせ、互いの信用を破壊し、可能なら粛清を起こす。部外の手を煩わせる必要もなく、次々と彼ら自身の手によって彼ら自身を殺させる。この戦争ではこれがとても重要だ。

 

だが、そうした後にロシアには一体何が残るのだろう。政治的にも軍事的にも国民の中に急性アノミーに襲われる。そこでロシアがどのような狂信的な行動を起こすのか。まるで格納容器から漏れ出た溶解したウラン燃料棒のように脅迫的に世界中に侵略を始めないだろうか。

 

ウクライナ戦争において最も重要な事は如何にロシアを立て直すのか、その道筋と工程にある。それがロシア人たちの手で行われないなら部外者がそれを担う必要が出てくる。その前面に同じスラブ民族であり長く近くにいて歴史を歩んできたウクライナ人たちがいる。その後ろにヨーロッパがあり、ヨーロッパは信用できないと考えるトルコや中国などが互いのバランスを策動している。

 

案外、核を持ちたい国はロシアを支持しているのかも知れない。ウクライナ戦争は決して対岸の火事ではない。もしロシアが成功したら次は台湾の番である。台湾が襲られる時には必ず尖閣にも進軍がある。アメリカの戦力を分断するためにもこれは必須だ。

 

日本の政治家ならそのどさくさに竹島自衛隊を派遣しようとしても不思議はないし、北方領土の奪還とかも言いだしそうな連中は幾らでもいる。

 

ロシアは潰さなければならない。誰がダリヤを殺したのか。間違いなくプーチンである。直接、電話で指示したとしても驚きはない。反プーチン派がやったのなら、尚更その引き金を引いたのはプーチンになる。自分の銃の引き金を自分で引いたのか、他人の銃の引き金を自分の引いたのかの違いだ。プーチンが引き金を引いたのは間違いない。

 

さて、ロシアはこの爆破事件をどのように処理するのか。犯人は必ず逮捕されるだろう。彼らにとって冤罪でも構いはしないのである。それでもロシア国内で頑張っている人たちがいる。