菅首相「7月末目標」に躍起=「総力戦」の高齢者ワクチン接種

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5月Mから7月Eまで日数にして80日。短期総力戦だから休みなく稼働は当然。


一日100万人なら 80*100 = のべ 8000 万人への接種が可能。二回接種だから4000万人が対象という計算になる。日本の高齢者数は3617万人なので、計算は合っている。

 

一日100万人を実現するには、ひとり1分として100万分。100万分=16666時間=694日である。これは694人の医者を24時間、飲まず食わずで働かせたら実現可能という事である。現実には8時間稼働として694*3=2083人。これだけの医者が8時間、何があっても注射を打つマンになれば実現可能である。

 

実際には、休憩もトイレも必要だから更に余裕を取って例えば5000人くらいを用意できれば可能そうでである。この場合、決して病気にはならない前提である。世に余剰戦力無し、死ぬまでその場を死守せよである。

 

この政府の方針は全国の医療リソースから何があっても5000人は引っこ抜くという意味である。オリンピックで500人の看護師も困難と言われている状況だが、日本の医師数は327,210なので1.5%。数字だけなら無理な数ではない。

 

しかし、登録数は稼働数ではないはずなので、稼働数から5000人を本当に引っこ抜く事が現実解かは知らない。ただしこれでも日本に平均して人口が散らばっていると仮定した話であり、都市圏と過疎地も同じ割合としての計算だから、実際はこれでは足りないはずである。

 

更には、医者が用意できたとしても、高齢者をどう集めるかという問題がある。ある場所に、医者と高齢者とワクチンを同時刻に集結させるというのは、どう考えても不可能そうである。

 

すると医者が出向くしかないはずだが、首都圏だろうと地方だろうと、冷凍70度の冷凍庫を搭載した車が何台用意する必要があるのか。医者のノルマは8時間=640人だが、それだけの老人を訪問するのにどれだけの時間が必要か。

 

過疎地でこれだけの老人がどれだけの地域に分散して暮らしているのか、それを車で周回するとして何時間が必要か。台風がこようが河が氾濫しようが断固やるのである。

 

島根県の人口は665,205。半分を老人と仮定して30万人。これを10人で手分けしたとして、一人当たりノルマは3万人。30000/640=46日。だいたい2カ月必要である。

 

都市圏では区市町村ごとで同様の対応が必要だろう。もちろん、総力戦とは融通を最大限利かせるためだから区割りの垣根を超えて実施されないといけない。当然だが、接種の過程でも医者等のスタッフを契機したクラスターは発生するだろう。

 

ざっと10分考えただけでも、これだけの大動員の計画が必要になる。あと一週間で全ての区市町村で準備完了できるのか、我々はワクチンがいまどこに保管されているかさえ知らないのである。だが当然、政府は知っている。

 

人間を大動員するというのはかつては帝国陸軍の得意中の得意であったものであるが、今やその伝統は失われている。一億人相手にマスクを郵送できたのは、国税調査や年金機構などの前例があったからであろう。

 

直近で人間を大動員した経験といえば、我々には福島原発の避難くらいしかないはずである。